【 楽劇「神々のたそがれ」】
ワーグナー,リヒャルト〔独〕
（1813.05.22〜1883.02.13） 69歳 心臓障害
ドイツの神話に基づき、中世ドイツの民衆叙事詩を
素材としてワーグナー自身が台本を書き、作曲もした
楽劇「ニーベルングの指環」は、それぞれ独立した
４つの楽劇で、 ２６年間にわたって作曲し続けた。
ワーグナーは「３日と１晩の序夜のための舞台祝典劇」
と書いているが、初演はバイロイト祝祭劇場で、
１８７６年８月１３日から４日間にわたり
ワーグナー自身の指揮と演出によって、この劇場の
落成記念としておこなわれた。
序夜 楽劇「ラインの黄金」 （８月１３日）
第１日 楽劇「ワルキューレ」 （８月１４日）
第２日 楽劇「ジークフリート」（８月１６日）
第３日 楽劇「神々のたそがれ」（８月１７日）
当時、バイエルンの王ルードヴィヒ二世が皇太子時代の
１６歳のころ、ワーグナーの「ローエングリン」や
「タンホイザー」を観て感動に打ち震えたと言われ、
１８歳で国王に即位した後、ワーグナーは謁見している。
若き国王のワーグナーへの入れ込みようは病的なほど
だったと言われ、ワーグナーの作品を上演するための
祝祭劇場は、国王などの援助により落成した。
楽劇「ニーベルングの指環」は、大規模な管弦楽の
編成で、四管編成をとり、きわめて多様な
色彩的効果を出している。
その上、ワーグナーが考案したといわれ、
荘重で典雅な音色をだすワーグナー・チューバも
使用され、重要な役割をしている。
「神々のたそがれ」は３幕１１場からなり、その前に
序幕があり、合計４幕のようになっている。
神々の世界支配の野望も、自らの策略と指環の魔力と
人間の女性の献身的な愛情によって、達成されず、
かえって神々は没落してゆく。
そして、これから自由な人類の新しい世界が開けて
ゆくのを暗示させる。
女性の献身的な愛情こそ人生を救済するという思想は
いわばこの長大「指環」の結論ともいえる。
ジークフリート（T）
グンター（ギービヒ家の長）（Br）
ハーゲン（グンターの異父弟でアルベーリヒの子）（B）
アルベーリヒ（Br）
グートゥルーネ（S）
ブリュンヒルデ〔ワルキューレ〕（S）
ワルトラウテ〔ワルキューレ〕（MS）
ウォークリンデ（ラインの乙女）（S）
序 幕 「目覚めの動機」→ 「波の動機」→
「エルダの動機」→「眠りの動機」→
「運命の女神の動機」→ 「ワルハルの城の動機」→
「天上のトネリコの動機」→「神々のたそがれの動機」→
「運命の動機」→ 「呪いの動機」→
「眠りの動機」→ 「運命の動機」→
「英雄の動機」→ 「ブリュンヒンデの動機」→
「ワルキューレの動機」
（ジークフリートのラインの騎行）
「英雄の動機」→「ワルキューレの動機」→
「ブリュンヒルデの動機」→「角笛の動機」→
「恋の絆の動機」→「指環の動機」→
「ラインの黄金の合唱の動機」→「ラインの黄金の動機」
第 １ 幕
第１場 ライン河畔のギービヒ家の広間
「ハーゲンの動機」→ 「ギービヒの動機」→
「ワルキューレの動機」→ 「眠りの動機」→
「ウェルズンタの動機」→ 「指環の動機」→
「誘惑の動機」→ 「ラインの乙女たちの合唱の動機」→
「波の動機」
第２場 「呪いの動機」→「ジークフィリートの動機」
「グートゥルーネの動機」→「ニーベルングの動機」→
「大蛇の動機」→「指環の動機」→
「呪いの動機」→「契約の動機」→
「ブリュンヒンデの動機」→ 「指環の動機」→
「ワルキューレの動機」
第３場 「不機嫌の動機」→「トネリコの動機」→
「運命の動機」→「不機嫌の動機」→
「愛情の動機」→「ギービヒの動機」→
「隠れ頭巾の動機」→「指環の動機」→
「呪いの動機」→「憎悪の動機」→
「ブリュンヒルデの動機」
第 ２ 幕
前奏曲 「憎悪の動機」
第１場 「指環の動機」→「殺人の動機」→
「呪いの動機」
第２場 間奏
第３場 「ギービヒの動機」→「結婚の動機」
第４場 「運命の動機」→「思案の動機」→
「憎悪の動機」→「ラインの黄金の動機」→
「指環の動機」→「ギークフリートの動機」→
「憎悪の動機」→「契約の動機」
第５場 「呪いの動機」→「憎悪の動機」→
「殺人の動機」→「ブリュンヒルデの動機」→
「誘惑の動機」→「殺人の動機」→
「結婚の呼び声の動機」
第 3 幕
前奏曲 「角笛の動機」→「結婚の呼び声の動機」→
「ラインのおとめたちの水の戯れの動機」
第１場 「水の戯れの動機」→「ラインの黄金の動機」
第２場 「ギービヒの動機」→「水の戯れの動機」→
「誘惑の動機」→「ニーベルングの動機」→
「剣の動機」→「大蛇の動機」→
「森のささやきの動機」→「小鳥の動機」→
「指環の動機」→「呪いの動機」→
「ジークフリートの動機」→「死の動機」→
「運命の動機」→「死の予告の動機」→
「ジークフリートの動機」
（ジークフリートの葬送行進曲）
「死の動機」→「ジークリンデの動機」→
「剣の動機」→「ジークフリートの動機」→
「ブリュンヒルデの動機」→「死の動機」→
「指環の動機」
第３場 「グートゥルーネの動機」→「誘惑の動機」→
「結婚の呼び声の動機」→「殺人の動機」→
「指環の動機」→「呪いの動機」→
「神々のたそがれの動機」→「呪いの動機」→
「ジークフリートの動機」→「呪いの動機」→
「ラインの乙女の動機」→「ワルハルの城の動機」→
「ジークフリートの動機」→「神々のたそがれの動機」
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