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...... 2020年07月03日 の日記 ......
■ 《母の死》   [ NO. 2020070301-1 ] e_ch

【 ヴァイオリン・ソナタ 第21番 ホ短調 K.304 】

モーツァルト,ヴォルフガング・アマデウス〔墺〕
(1756.01.27〜1791.12.05) 35歳

モーツァルト,アンナ・マリア 〔墺〕
(1720.12.25〜1778.07.03) 57歳



モーツァルトの母のアンナ・マリアは、7人の子どもを
生んだが、成人したのは三女のアンネルと
モーツァルトの二人だけだった。

1777年モーツァルトはザルツブルクの大司教に
つとめる宮廷音楽家の職務に次第に不満と
反発を感じるようになり、父親のレオポルドは、
息子に相応しい地位を他所に求めようとして、
新しい旅行の計画が練られていた。

しかし、父子2人の旅行のプランは、
大司教によって退けられたために、モーツァルトは
母と2人で仕事を求めてパリに出かけた。

「ヴァイオリン・ソナタ ホ短調」は、1778年の3月から
6月にかけて、滞在していたパリで作曲されたが、
同行中の母は熱病を発して7月3日異国で客死した。

モーツァルトがヴァイオリンとピアノのために書いた
「ソナタ」は、未完成のものも加えると41曲に及ぶが、
彼の作品は「2重奏曲」ではなくて、ヴァイオリンの
自由な伴奏をもったピアノ・ソナタだった。

1777年以降に書かれた19曲のなかで、
唯一の短調のソナタで、異様な緊迫感と、暗さとを
漂わせていて、すでに健康をそこねていた母の死を
予告するかのような陰うつとさえいえるような
気分を持ち、どちらかといえば、明るい作品の多い
パリ時代のもののうちでは、同じ時代に書かれた
イ短調のピアノ・ソナタとともに異例に属するものである。

        第1楽章 Allegro
        第2楽章 Tempo di menuetto 



(ヴァイオリン)マーク・スタインバーグ
(ピアノ)   内田光子       
         ♪ 私が聴いた音源 ♪
   




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