【 グルック変奏曲 ト長調 K.455 】
モーツァルト,ヴォルフガング・アマデウス 〔墺〕 (1756.01.27〜1791.12.05) 35歳
グルック,クリストフ・ヴィリバルド 〔オーストリア〕 (1714.07.02〜1787.11.15) 73歳 脳溢血
グルックは、バイエルンのエラスバッハの出身で、 306年前の7月2日に生まれた。 父親は大貴族ロブコヴィッツ家に仕えた 森林官だったが、一族で音楽家になった者も、 その他の芸術に従事した者もいなかった。
彼は、オペラの改革者として知られているが、 プラハ大学で、哲学と音楽(教会音楽と イタリア音楽のスタイル)を学んだ。 このころ聴いたイタリアふうオペラに強い刺激を受け、 後にオペラ作曲に意欲を燃やした。
当時のイタリア式オペラは、歌手たちの技巧を 競うもので、芸術的に価値の乏しいものが多かった。 グルックは、劇と音楽の完全な融合を考え、 オペラ改革を目指した。
歌劇「メッカの巡礼」は、1776年夏に初演されたが、 1780年に改訂されて蘇演がおこなわれた。 この歌劇中のアリアに基づいて書かれた変奏曲が 「 グルック変奏曲 ト長調」で、モーツァルトにとって グルックはハイドンと共に尊敬を捧げる 数少ない先輩の一人だった。
モーツァルトがピアノ独奏用として書いた変奏曲は、 28曲あるが、多くの曲が旅行中に書かれていて、 その地で流行していた曲を主題として、 即興的に作られている。
いずれも主題をそのまま使い、厳格変奏(テンポ、 リズム、調性を変えて奏する)となっている。 変奏の数は6回〜12回で、統計的には12回が 最も多く、主題の調性は全部が長調で、 変奏のうち1回は同名短調に転じている。
「 グルック変奏曲」では、ト長調の主題のあと 10回の変奏が行なわれる。 第5変奏でト短調が、第8変奏と第10変奏では カデンツァが設けられている。
(ピアノ)ジェイコブ・グリーンバーグ ♪ 私が聴いた音源 ♪
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