 【 3つのバラード Op. 56 - 1 】
レーヴェ,カール 〔独〕 (1796.11.30〜1869.04.20) 72歳 (脳卒中)

ドイツ初期ロマン派音楽の作曲家、歌手のレーヴェは レーベユーンで生まれ、母親から音楽の手ほどきを受けた。
ハレ大学で神学を学びながら、音楽教育を続けた。 1820年からシュテッティーンで、オルガニストとして 活躍しながら音楽教育にも携わった。 作曲家として活躍したのもこの時期だった。
シューベルトと同時期に、ゲーテの詩「魔王」に 作曲をしている。
151年前の4月20日に、キールで脳卒中のため 72年の生涯を閉じた。
レーヴェの作品で、完成の域に達したと 認められているのは、ピアノ伴奏つきの 独唱用のバラードである。 最もよく歌われる作品で、フォークルの詩による 「鳥刺しハインリヒ」もそうである。
バラードの特徴は、物語りがすすむにつれて、 音楽も著しい変化をみせるが、レーヴェの バラードは簡素な手法を用いながら、 しかも劇的内容をよく伝えている。
リート風の「鳥刺しハインリヒ」は、旋律の 美しさが印象的で、曲の最後は神への感謝が 大らかに歌われる。
歌詞大意
ハインリヒは満足げに鳥小屋にすわっていた。 ひばりやうぐいすの声がきこえる。 「なんて素敵な世界だろう!今日は大猟だぞ」 「おや!なにか音がするぞ。戦争でも始まったのか?」 埃は舞いあがり、蹄の音や剣の音が迫ってくる。 「おお、神様、獲物が台無しだ!」 すると一人の従者が進みでた。 ハインリヒが用をたずねると、皆は旗を振り、 歓声をあげて「ハインリヒ皇帝万歳!」と叫んだ。 驚いている彼に 「ドイツ皇帝の希望によりザクセンの王となる」と言う。 彼は深く動かされ、「神よ大きな獲物を私にくだすった」
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