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...... 2020年02月29日 の日記 ......
■ 《 悲しみの聖母 》   [ NO. 2020022901-1 ] v

【 スターバト・マーテル 】

ロッシーニ,ジョアキーノ 〔伊〕
(1792.02.29~1868.11.13) 76歳 直腸癌



美食家としても 知られている、イタリアの作曲家の
ロッシーニは、228年前の2月29日に
イタリアのペザロで生まれた。
父はトランペットとホルン奏者、母はソプラノ歌手で、
彼は1人息子だった。

子どものころは、父が望むようには音楽への関心を
示さなかったが、音楽学校時代から作曲を始め、
両親の知己もあり、早くから認められるようになった。

36歳のときに歌劇「ウィリアム・テル」を発表した彼は、
その後不眠症などに悩まされるようになり、
新しい歌劇創作の筆を折る決心をしたため、
「ウィリアム・テル」がロッシーニ自身が書きおろした
最後のオペラ作品となった。

その後の40年近くの後半生は、数曲の宗教曲や
カンタータなど、気の向くままに書きとどめていたに
すぎなかったが、彼の全作品の中でも
屈指の秀作に数えられる「スターバト・マーテル」は、
「ウィリアム・テル」完成の2年後に着手された。

「スターバト・マーテル」とは、キリストの受難を悲しむ
聖母マリアの心を歌う詩のことで、中世以来多くの
人々によって歌い継がれてきた。

かつてナポリで、ペルゴレージ(1710~1736)の
「スターバト・マーテル」を聴いたロッシーニは、
こんな名作のあるジャンルには足を踏み入れまいと
決心していたが、1831年にマドリードを訪問し
大歓迎を受け、このときに知り合ったスペインの
富豪で好事家のドン・ヴァレラから、依頼をうけて
創作に取りかかったといわれる。

ところが腰部神経痛に襲われ、作曲の筆が
進まなくなり、完成したのは10年後のことだった。
1842年1月7日 にパリのヴァンタドゥール会場で
初演され、大きなセンセーションをまきおこし、
評判をよんだ。

明るい表情をもった世俗的な人なつっこさ、
のびやかな旋律の美しさ、強弱や色彩の起伏にとんだ
オーケストレーションなど、ロッシーニ独特の作風が
この宗教曲をきわめて人間くさい親しみにみちた
作品として、宗教音楽に一陣の新風を吹き込んだ。

10章からなり、2管編成の管弦楽にともなわれた
合唱、重唱、独唱が「スターバト・マーテル」の
20節の三行詩全文をうたいあげている。

         * Stabat Mater
         * Cujus animam gementem
         * Quis est homo
         * pro peccati
         * Eja, Mater,fons amoris
         * Sancta Mater
         * Fac ut portem
         * Inflammatus et accensus
         * Quando corpus morietur
         * Amen



       (ソプラノ)キャスリン・マルフィターノ
       (メゾ・ソプラノ)アグネス・バルツァ
       (テノール)ロバート・ギャンビル
       (バス) グウィン・ホーウェル
       (合唱) フィレンツェ五月祭合唱団
       (管弦楽)フィレンツェ五月祭管弦楽団
       (指揮) リッカルド・ムーティ
               ♪ 私が聴いた音源 ♪




    

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