 【 交響詩「レノール」】
デュパルク,アンリ 〔仏〕 (1848.01.21〜1933.02.12) 85歳

デュパルクはフォーレと並び、フランスの近代歌曲の 名曲を残した作曲家だが、37歳のときに奇妙な 神経病に冒されて、創作活動ができなくなった。
その後、48年間外界との一切の交渉を絶って スイスの山中に引きこもり、87年前の2月12日に 南仏モン=ドゥ・マルサンで85年の生涯を閉じた。
彼は、数多いフランクの弟子の中でも、 最も早くから師事していて、中学生のころから フランクにピアノを習っていた。
作品は交響詩やたくさんの歌曲を作曲したが、 厳しい自己批判の結果、わずか16曲を残して、 他は全て破棄してしまった。
精選された16曲の歌曲は、甘美な流麗さ、 激しい感情の起伏、哀切の情など、あらゆる表現を 網羅していて、フランスの近代歌曲の形成のために、 かけがえのないものとなっている。
交響詩「レノール」は、ビュルガー(1747-1794)の ドイツ語の長編物語詩「レノール」を読んで、 作曲を思い立ち1875年に作曲した。
戦で亡くなった婚約者を嘆く孤独なレノールの夢に 婚約者があらわれ、レノールを馬でさらい、 死へまっしぐらに駆けて行く、主人公二人の 心理描写の上に成り立っている作品である。

(管弦楽)トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 (指揮) ミシェル・プラッソン ♪ 私が聴いた音源 ♪
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