 【 オペラ「連隊の娘」】
ドニゼッティ,ガエターノ 〔伊〕 (1797.11.29〜1848.04.08) 50歳

十九世紀後半のイタリアオペラといえば、 ヴェルディがあげられるが、十九世紀前半を代表する 三羽ガラスとして、 機知に富んだオペラを書いた ロッシーニと、旋律重視の抒情オペラを書いた ベルリーニ、その影響を受けてロマン派歌劇の 開拓者となったドニゼッティがいる。
彼は70曲余りのオペラを作ったが、現在上演される 作品はそれ程多くない。
2幕からなるオペラ「連隊の娘」は、ドニゼッティの 43歳のときの作品で、 小さいときに戦場で拾われ、 軍曹の娘となったマリーが実は、侯爵の娘だったという あらすじである。
素朴な兵士たちの集う自由な陣営と、上品ぶった 貴婦人の住む古風で窮屈な城内という対照的な 背景に、マリーという新しいタイプの女性を登場させ、 難しい歌と親しみやすい曲とを組み合わせている。
1840年2月11日、パリのオペラ・コミック劇場で 初演され成功した。
日本初演は、1914年(大正3年)2月に 東京の帝国劇場で行なわれたが、省略が多く、 難しい歌のところは、セリフとされた。
ドニゼッティは、パリでの初演の2年くらい後で 頭痛に悩みだし、最後のオペラを上演以後、 神経性まひで療養生活をおくり、亡くなる前年に それまで住んでいたパリから故郷のベルガモに戻り、 半年後に世を去った。

第1幕 序曲
(管弦楽)ハンブルク放送管弦楽団 (指揮) リヒャルト・クラウス ♪ 私が聴いた音源 ♪
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