 【 パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582 】
バッハ,ヨハン・セバスティアン 〔独〕 (1685.03.21〜1750.07.28) 65歳
シュバイツァー,アルベルト 〔仏〕 (1875.01.14〜1965.09.04) 90歳

ドイツ系フランス人のシュバイツァーは、145年前の 1月14日にアルザスで牧師の子として生まれた。
バッハの専門家として知られているが、 オルガン奏者としてのみならず、バッハの全オルガン 作品の楽譜を師ヴィドールと共編で出版している。
哲学者、神学者としての業績も大きく、 長年アフリカのフランス領ガボンのランパレネで、 医師として原住民医療と教化にあたった 聖者のような存在だった。
1953年にノーベル平和賞を受賞したが、 その12年後の9月4日にランパレネで90年の 生涯を閉じ、翌日同地に埋葬された。
バッハは、宗教曲、室内楽、協奏曲など あらゆるジャンルにわたり、多くの傑作を作曲しているが、 その根底をなすのはオルガン音楽である。
今日知られているオルガン曲は250曲ほどあるが、 彼が一生のうちで、どれだけの曲を作曲したのかは はっきりとは分からない。
現存するオルガン曲の大半は、バッハの自筆譜が すでに消失していて、バッハ以外の誰か他の人が それを書き写した楽譜によって今に伝えられている。
誰も書き写さないまま自筆譜が消失してしまったり、 書き写した写譜が消失したものもある。
オルガン曲の「パッサカリアとフーガハ短調」は 1716年ころの作品とされる。 パッサカリアとは、主に低音で反復される固執主題に もとづく変奏曲で、バロック音楽の一形式である。 バッハはこの形式では、この1曲しか書かなかった。
曲頭、遅めの3拍子8小節の低音主題が、 ペダルのソロで奏され、これに続いて この主題にもとづく20の変奏で構成されている。
全体は数学的ともいえる構成で、強固な 土台の上に構成される、巨大で壮麗な建築を 見る思いがすると表現する人もいる。
心に迫る感動を呼び起こすこの傑作は、 後世になって編曲されたものも多く、レスピーギ、 ストコフスキー、オーマンディはそれぞれ管弦楽に、 ケラーは2台のピアノ用に編曲している。

(管弦楽)BBCフィルハーモニック (指揮) レナード・スラットキン ♪ 私が聴いた音源 ♪
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