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...... 2019年10月18日 の日記 ......
■ 《 和解の曲 》   [ NO. 2019101801-1 ] e_co


【 ヴァイオリンとチェロのための複協奏曲
             イ短調 作品102 】

         
ブラームス,ヨハネス〔独〕
(1833.05.07〜1897.04.03)63歳 肝臓癌
         

            
ベートーベンや、メンデルスゾーンとならび
三大協奏曲と呼ばれている名曲の
「バイオリン協奏曲ニ長調」は、ブラームスが
最も脂ののった時代の45歳のときに完成した
唯一のバイオリン協奏曲だった。

その11年後の1889年に作曲したのが
最後の管弦楽作品となったヴァイオリンと
チェロを独走楽器とする二重協奏曲の
「ヴァイオリンとチェロのための複協奏曲」である。

ブラームスは1886年に最後の交響曲となった
「交響曲第4番」を完成した後、第5番と
第6番の作曲の計画をたて、その構想を
練っていたが、当時ブラームスは数十年来の
友人であり、19世紀後半のドイツ最大の
ヴァイオリニストでもあったヨゼフ・ヨアヒムと
不仲になっていた。

彼との和解のきっかけを作るためヨアヒムの
意見を聞きながら作曲して軟化させようと思い、
協奏曲は交響曲に変えられた。

ヴァイオリンは「ヨアヒムの忠告と助言を、
チェロはチェリストのロベルト・ハウスマンの
助言を得て作曲を進め、完成させた。

クララ・シューマンの日記には
「この曲はある意味で和解の曲です。
ヨアヒムとブラームスは長い疎遠の後で、ま
たお互いに話をするようになった」と書いている。

初演は、完成の年の10月18日にケルンの
ギュルツェニヒザールで、ハウスマンのチェロ、
ヨアヒムのヴァイオリン、ブラームスが管弦楽を
指揮して行われた。
そして、この曲はヨアヒムに捧げられた。

高度の技巧をヴァイオリンとチェロに要求している
この協奏曲は、呼吸の合った二人の独奏者の演奏により、
質実で威厳に富んだ作品となる。

アール川に臨んだ部屋の窓からベルンの高地の
なんともいえない美しい氷河の景色、アルプスの
威風堂々とした風光を眺めながら書かれたこの曲は、
抒情的で秘めた情熱がただよう力作である。

         第1楽章 Allegro
         第2楽章 Andante
         第3楽章 Vivace non troppo



       (ヴァイオリン)ヤッシャ・ハイフェッツ
       (チェロ) エマヌエル・フォイアマン
       (管弦楽) フィアデルフィア管弦楽団
       (指揮)  ユージン・オーマンディ
               ♪ 私が聴いた音源 ♪




      

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