【 組曲「展覧会の絵」】
ムソルグスキー,モデスト・ペトロヴィチ〔露〕 (1839.03.21〜1881.03.28) 42歳
ロシア国民学派の五人組(ボロディン、キュイ、 バラキレフ、リムスキー・コルサコフ)の1人の、 ムソルグスキーは、4人の男兄弟の末子として、 古いロシアの貴族の家系に生まれた。
当時のロシア貴族は、一応軍人になるのが常で、 彼も仕官学校で歴史・哲学・文学・宗教などについて、 教養を身につけた。 それと同時にピアノの演奏も上達し、 特に即興演奏が得意だった。
彼は、22歳のときに強い神経病にかかっているが、 士官学校時代からの飲酒の習慣で健康を害し、 早逝の原因になったといわれている。 最期は、廃人のようになって132年前の3月28日 ペテルブルグで42年の生涯を閉じた。
ムソルグスキーの代表作の一つに数えられ、 名曲である「展覧会の絵」は、十九世紀ロシアの 生んだ最も独創的なピアノ音楽で、 35歳のときに作曲した作品である。
その前年、親交のあった急進的な建築家の ハルトマンの若死は彼に大きな打撃を与えた。 親友の死後、設計図やスケッチ、水彩画などの 遺作展が行われ、会場を訪れたムソルグスキーは、 それらの遺作から得た霊感によって作曲をした。
曲は「絵」にちなんだ10曲の小品と、前奏、間奏の 役割をはたす「プロムナード」とで出来ていて、 その配列の見事さはもとより、ムソルグスキー 独特の大胆な独創性が全曲に表現されている。
プロムナード 1 こびと プロムナード 2 古城 プロムナード 3 テュイルリー 4 ビドロ(牛) プロムナード 5 殻をつけたひなどりのバレエ 6 サムエル・ゴールデンブルクとシュムイレ プロムナード 7 リモージュ(市場) 8 カタコンブ(ローマ時代の墓) 9 鶏の足の上の小屋 10 キエフの大門
ムソルグスキーが作曲し、半世紀を経過した 1922年に、「管弦楽の魔術師」といわれた ラヴェルは管弦楽編曲の委嘱を受けた。 彼の編曲は、原曲の音を非常に忠実に迫った 精巧なもので、まばゆいばかりにの 色彩効果をあたえていて、初演で大成功をした。
ラヴェルの他にも、多くの作曲家が管弦楽に 編曲しているが、現在とりあげられるのは ほとんどがラヴェルのものである。
(ピアノ)ウラディーミル・アシュケナージ ♪ 私が聴いた音源 ♪
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