 【 弦楽セレナード ハ長調 Op. 48 】
チャイコフスキー,ピョトル・イリイチ 〔露〕 (1840.05.07〜1893.11.06) 53歳 コレラ

1880年から翌年にかけての冬の間に作曲した 弦楽合奏曲「セレナードハ長調」は、チャイコフスキーが 青年時代にニコライ・ルービンシティンと一緒に 下宿していた家の主人で、そのころモスクワ音楽院の 監事をしていたアルブレヒトに捧げられた。
チャイコフスキーはセレナードを、 器楽曲では3曲作曲している。 1872年に作品番号がない小管弦楽のための セレナードを、3年後には憂愁の美をたたえた、 独奏ヴァイオリンと管弦楽のための 「ゆううつなセレナード」作品26を作った。
「セレナード作品48」は、モーツァルトへの敬愛から 作曲した作品で、4楽章からなり、ドイツ音楽上の 古典派とロマン派の影響が強い。
第1楽章 Andante non troppo (ソナチネ形式による小曲) ハ長調の作品だが、イ短調の重厚な序奏で 始まり、シューマン風な主題が展開する。
第2楽章 Moderato. Tempo di Valse ヨハン・シュトラウスを思わせるような ウィーン風なワルツ。
第3楽章 Larghetto elegiaco スラブ的な哀愁の悲歌。
第4楽章 Andante-Allegro con spirito (ロシアの主題による終曲) ロシア民俗舞曲跳びまわるような旋律が あらわれたりと、自由なスタイルの セレナードになっている。
1882年1月16日にモスクワで初演され、 「非常な成功」をしたと楽譜出版者への手紙に 書かれているし、メック夫人への手紙にも、 自信作であるとしたためられていた。

(管弦楽)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮) ヘルベルト・フォン・カラヤン ♪ 私が聴いた音源 ♪
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