 【 夏の風の中で 】
ウェーベルン ,アントン 〔墺〕 (1883.12.03〜1945.09.15) 61歳 事故死

二十世紀前半の最も重要な作曲家の1人の ウェーベルンは、141年前の12月3日に ウィーンで生まれた。 ウェーベルン家は貴族の家庭で、鉱山技師として 成功した父親とオーストリア各地を転々として過ごし、 音楽を愛好する家庭環境で成長していった。
彼より9歳年上のシェーンベルクに師事していたが、 2歳年下のベルクと共に、この3人新ウィーン楽派で 同じ時期に無調・12音技法の音楽を進めた。
彼は作曲をしながら、指揮者として活躍していたが、 1934年ナチスにより指揮活動が停止され、 教授に専念した時期もある。 しかし、1939年には、オーストリアに ナチス政権が樹立され、その職も失うことになった。
元来もの静かな気質のウェーベルンは、このような 晩年に神秘的特質をいっそう深めていった。
彼は全く孤立し忘れられた身となり、 第二次大戦最後の段階でザルツブルク近郊の ミッテルジルの娘の元で耐乏生活を送っていたが、 終戦後数カ月たった9月15日の夕刻に この地区に駐留していた米軍憲兵に誤って撃たれ、 悲劇的な死をとげた。
ウィーン大学在学中の1904年に作曲した 「夏の風の中で」は、「大管弦楽のための牧歌」 という副題がついている。
後期ロマン派の雰囲気を持つこの曲は、 ドイツの作家、ブルーノ・ビレの詩に触発されて 作られたもので、当時ウェーベルンが傾倒していた、 R・シュトラウスやワーグナーの影響が感じられる。
シアトルで初演されたのは、彼の死後の 1962年のことだった。
彼の初期の作品は、後期ロマン主義音楽の様式を 採っていて、その作品は生前には出版されなかった。

(管弦楽)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮) ピエール・ブーレーズ ♪ 私が聴いた音源 ♪
|
|