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...... 2024年10月27日 の日記 ......
■ 《 名人芸的演奏 》   [ NO. 2024102701-1 ] co

【 ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 Op. 6 】

パガニーニ,ニッコロ 〔伊〕 咽喉癌
(1782.10.27〜1840.05.27) 57歳



十九世紀最大のヴァイオリン奏者の一人で、
ヴァイオリンの鬼神といわれたパガニーニは、
242年前の10月27日にイタリアのジェノバで生まれた。

彼の一生は不明確な点が多いが、
奇異な伝説的エピソードも多い。
19歳のころから4年間ある貴婦人と同棲し、
この間バイオリンを放棄してギターに没頭、
演奏会から全く姿を消している。

再びヴァイオリンをとり演奏活動を開始してから、
ナポレオンの妹のバッキオッキにルッカに招かれ、
そこの宮廷オペラ指揮者を3年間務めた。

その後、外国への演奏旅行を試み、
活発な演奏活動が続いたが、
50歳のころから健康がすぐれず、
晩年はほとんど演奏不可能な状態になり、
富と名声と恋愛で数多くの逸話を残し、
ニースで咽喉癌のため世を去った。

彼の学習はいつの場合も極めて短期間であるが、
その期間は激しく集中的におこなわれた。
名人芸的演奏効果と強烈な表現性で演奏される
彼の奏法は、その直接の流れをくむ流派がないため、
彼一代で消滅した。

稀代の名演奏家で、多くの作曲家に多大の影響を
与えているが、リストはパガニーニの演奏を聴いて、
「パガニーニは『バイオリンの魔術師』だ。
私は『ピアノの魔術師』と呼ばれるようになりたい」と・・・

パガニーニの曲は、後にイメージによる作品、
主題による作品として、ショパン、リスト、シューマン、
ブラームス、ラフマニノフなどによって、
多くの作品が作られている。

パガニーニは晩年、ベルリオーズを未来の音楽の
鍵を開ける天才と讃美して、不遇な作曲家を
援助するために莫大なお金を与えている。

「長い髪と、鋭い眼光と、怪しく粗暴な顔つきをした男。
それは天才といおうか、巨人中の巨人といおうか
私がかつてみたことのない男であった。
私は一目見て非常に感動した。
男はただ一人ホールに突っ立っていた。
私が横切ろうとすると、呼び止めて手を握った。
そして身も心も焼きつくような激しい賛辞を押しつけた。
この男はパガニーニであった」(ベルリオーズ)

パガニーニは、最初ギターとヴァイオリンの両立を
考えていたが、10代の後半にバイオリン1本で
生きる決意をしたといわれる。
一時期、ヴァイオリンを放棄してギターに没頭した
こともあり、ギターの名手でもあった。

パガニーニはヴァイオリン協奏曲を6曲以上作曲したが、
印刷されたものはわずかしか残っていない。

29歳のときの作品の第1番は、難しい技巧を
十分につかった華やかな巨匠的協奏曲で、
イタリア人の作品らしく、いたるところに
歌うような美しい旋律をみせている。

現在では、原曲のまま演奏されることはほとんどなく、
ウィルヘルミの編曲や有名なヴァイオリニストの
クライスラーなどの編曲で演奏されることが多い。

   第1楽章 Allegro maestoso - Tempo giusto
   第2楽章 Adagio espressivo
   第3楽章 Rondo: Allegro apiritoso - Un poco più presto




(ヴァイオリン)ヴィクトリア・ムローヴァ
(管弦楽)   アカデミー室内管弦楽団 
(指揮)    ネヴィル・マリナー   
         ♪ 私が聴いた音源 ♪





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