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...... 2024年09月13日 の日記 ......
■ 《 クララへの贈り物 》   [ NO. 2024091301-1 ] ch

【 ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 Op. 63 】

シューマン,ローベルト・アレクサンダー 〔独〕
(1810.06.08〜1856.07.29) 46歳

シューマン,クララ 〔独〕
(1819.09.13〜1896.05.20) 76歳



シューマンの妻のクララは、ピアノ教師の
フリードリヒ・ヴィーク の次女として、205年前の
9月13日にライプツィヒで生まれた。

シューマンは、ヴァイオリン、チェロ、
ピアノのための3重奏曲を4曲書いているが、
その中の1曲は「幻想小曲集」と名づけられており、
他の3曲が「ピアノ三重奏曲」で、
この第1番ニ短調が最もよく演奏されている。

「暗い気分のときに生まれた曲」とシューマンが
言っているように、シューマンの陰暗なロマン性が
示され、作曲上、楽想上からも、健康的でなく、
不健康で病的に錯雑したものが感じられる。

この曲の楽譜を手にしたクララは、
日記に次のように書き留めている。
「この曲は、期待されるべき多くのものを、
まだ持っている人によって作られたかのように響く。
これは極めて強烈であり、青年的な精力に満ちていて、
同時に極めて巨匠的に労作されている。
第1楽章は、私が知っている、最も愛情に
満ちたものの1つを、私の心に示している」

シューマンは、もうこのころには神経障害の
兆候を時々みせていて、クララもこのことを
ひそかに心配していた。
それから7年後にライン川に身を投げ、
2年後に精神病院で愛妻クララとブラームスに
見守られながら46歳の若さで世を去っている。

この曲は、愛妻クララの28歳の誕生日の
贈り物として作られたものである。
クララは、シューマンがピアノを教わっていた
ヴィークの娘で、猛烈な反対にあい、
シューマンが30歳、クララが21歳のときの、
1841年9月12日にやっと結婚をした。

女流ピアニストの彼女は、夫シューマンの
作品の良き解釈者であり、後に14歳年下の
ブラームスの作品にも優れた解釈をなした。

シューマン亡き後、ブラームスはクララと
子供たちに心からの援助の手を差しのべた。

クララはピアニストとして演奏活動をしながら、
音楽院でも教えていたが、1896年3月
脳卒中で倒れ、5月20日に76歳で世を去った。
ボンでの埋葬式にはブラームスが立ち会ったが、
彼もまもなく病に倒れ、翌年の4月3日に
後を追うように生涯を終えた。

ブラームスは、クララに恋愛に近い感情を
抱いた時期もあった。
結局彼は誰とも結婚しなかった。

      第1楽章 Mit Energie und Leidenschaft
      第2楽章 Lebhaft, doch nicht zu rasch
      第3楽章 Langsam, mit inniger Empfindung
      第4楽章 Mit Feuer



(ピアノ)   ジャン・ユボー    
(ヴァイオリン)ジャン・ムイエール  
(チェロ)   フレデリック・ロデオン
         ♪ 私が聴いた音源 ♪


9/12に
【 歌曲集「ミルテの花」 】




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