【 楽劇「トリスタンとイゾルデ」】
ワーグナー,リヒャルト 〔独〕
（1813.05.22〜1883.02.13） 69歳 心臓障害
カイルベルト,ヨゼフ 〔独〕
（1908.04.19〜1968.07.20） 60歳 急性心不全
往年の巨匠ヨゼフ・カイルベルトは、
ドイツ第１線の指揮者で、１９６５年に初めて
NHK交響楽団を指揮した。
１９６７年１月から１９６８年７月まで
名誉指揮者となったが、N響の名誉指揮者は
ジョセフ・ローゼンストックに次いで二人目だった。
そして１９６８年には手兵のバンベルク交響楽団
（岩城宏之が同行）と待望の来日を果たした。
カイルベルトは、実直かつ誠実な人柄そのものの
音楽の持ち主で、客演していたN響の楽員を
魅了し信頼されていて、この公演時中にも
N響を指揮をしていた。
しかしその年の７月２０日、バイエルン州立歌劇場の
「トリスタンとイゾルデ」の本番中に倒れ、
６０歳にして急性心不全で急逝してしまった。
ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」は、
作曲者自身の台本で書かれた３幕からなる楽劇で、
伝説を巧みに扱ったトリスタンとイゾルデ姫の
宿命的な恋愛悲劇だが、カイルベルトが
倒れたのは最後の第３幕、第３場でトリスタンが
力尽きて横たわっている傍らで、イゾルデが
「愛の死」の無限のメロディを繰り返し
歌っていた時のことだった。
第２幕、第２場で歌われる二重唱
「ああ、われらをとざせ、愛の夜よ」は、古今の
愛の二重唱のうち最高の傑作といわれる。
（管弦楽）ミュンヘン･フィルハーモニー管弦楽団
（指揮） ハンス･クナッパーツブッシュ
♪ 私が聴いた音源 ♪
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