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...... 2024年04月10日 の日記 ......
■ 《 江戸好み 》   [ NO. 2024041001-1 ] ch

【 箏曲「熊野」】

山田検校 〔日〕
(1757.04.28〜1817.04.10) 60歳



江戸時代後期の筝曲家の山田検校は、
尾張藩の宝生流能楽師の三田了任を父に、
モーツァルトが 生まれた翌年の4月28日に
江戸に生まれ、文化14年4月10日に
世を去った。
本名は斗養一(とよいち)

幼いときに失明したが、山田松黒(医師)に
師事し、後年、山田流箏曲を興した。

当時、江戸人の好みに合うように浄瑠璃の
旋律を取り入れたことで人気が出て、
多くの門弟に慕われて発展していった。
その功績で、室町以降に目の不自由な人に
与えられた最高の官名「検校」を授けられた。
(この制度は明治時代に廃止された)

箏曲の二代流派の一つの「生田流」は、
『三味線(地唄)』との合奏を取り入れているが、
「山田流」は、唄の内容を重視した流派である。

彼の作品は「小督(こごう)の曲」「江ノ島の曲」
など36曲あり、今日も盛んに演奏されている。

平家物語に書かれている平宗盛と
熊野御前(愛妾)のロマンスは、「熊野」として
能を代表する曲だが、世阿弥の作の
謡曲「熊野」や、 江戸浄瑠璃に登場する。

箏曲「熊野」は1809年以前、謡曲の
構成を尊重しつつ筝曲化した。
全体に仏教的無常観を漂わせ、熊野と宗盛の
問答を江戸浄瑠璃風の言葉によって使い分け、
謡曲を意識した節扱いもみられる。

いかにせん都の春も惜しけれど 
        馴れし東の花や散るらん



「箏曲“熊野”(山田流)」

(唄と箏) 山勢 松韻、萩岡 松韻 
(唄と箏) 鈴木 厚一、田中 奈央一
(唄と三絃)山登 松和      
(笛)   福原 徹       
      ♪ 私が聴いた音源 ♪





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