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...... 2024年01月31日 の日記 ......
■ 《鱒》   [ NO. 2024013101-1 ] ch

【 ピアノ五重奏曲イ長調「鱒」Op. 114 】
            
シューベルト,フランツ・ペーター 〔墺〕
(1797.01.31〜1828.11.19) 31歳 チフス
             

          
シューベルトは227年前の1月31日に
ウィーンのリヒテンタールで生まれた。
父親はウィーン近郊の教区の校長で、
再婚後の子どもも含めて、15人の父親だった。
その半分は若死しているものの、
子どもを育てるための経済的負担は大きく、
生活は楽ではなかった。

教育家の父は厳格で、後年シューベルトに
楽才があることを認めても、生活の安全のため
専門家になることを喜ばず、
自分と同じ教師になることを強要した。

11歳のとき、宮廷の費用で音楽教育を
受けられる官費学校に入った。
そのころから多くの作曲をしていたが、
貧しくて5線紙を買うお金もなかった。
しかし、シューベルトには援助をしてくれる
数多くの取り巻きがいた。

シューベルトの作品は、人の心の自然な思いが、
素直に流れ出たロマンティックな作品で、
なんの気取りもなく、あまりに純粋なので、
理屈抜きに聴き手は胸にじんとくる。
健康的で、ひねくれたところのない音楽なのだ。

「歌曲の王」と呼ばれるシューベルトは、600曲以上の
歌曲や交響曲、ピアノ曲を作曲しているが、
リートとよばれる詩と旋律が一体となった芸術歌曲は
特に有名である。

31年の短い生涯に彼の交遊は男性ばかりで
華やかな女性との話題がない。
ピアノを教えていたカロリーネ、歌手のテレーゼが
登場するが、どちらとも結婚はしていない。

22歳の夏、北オーストラリア山地のシュタイルや
リンツに名歌手の友人フォーグルと演奏と避暑を兼ねて
9月半ばまで滞在した折に依頼され作られたのが、
「ピアノ五重奏曲イ長調で」ある。

この曲の第4楽章が、2年前に作曲した歌曲「鱒」の
旋律を主題とする変奏曲であることからつけられた。
「ピアノ五重奏曲」は、弦楽四重奏曲(第1ヴァイオリン、
第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ)にピアノを
加えたものが通例だが、シューベルトは
第2ヴァイオリンをコントラバスに置き換えているので、
全体に低音部が一段と豊かな響きとなっている。

ゆたかで色彩的な印象をあたえる第1楽章。
モーツァルトやバッハを思わせる第2楽章。
フーガ的な第3楽章。
主題と5つの変奏曲からなる第4楽章。
ハンガリーのにおいがする第5楽章でできている。

        第1楽章 Allegro vivace 
        第2楽章 Andante
        第3楽章 Scherzo: Presto
        第4楽章 Thema and Variations
        第5楽章 Finale: Allegro giusto



(ヴァイオリン)トーマス・ツェートマイアー
(ヴィオラ)  タベア・ツィンマーマン  
(チェロ)   リヒャルト・ドゥベヴェ  
(コントラバス)ペーター・リーゲルバウアー
(ピアノ)   アルフレッド・ブレンデル 
          ♪ 私が聴いた音源 ♪




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