 【 美しきロスマリン 】 クライスラー,フリッツ 〔墺→米〕 (1875.2.2〜1962.1.29) 86歳
 今世紀前半の最大のヴァイオリニストの 1人といわれているクライスラーは、ウィーンで 生まれたが、世を去ったのはニューヨークだった。
ウィーン音楽院とパリ音楽院で学んだ後、 デビューして演奏旅行を重ねた。 40歳から9年間ニューヨークに住んだが、 一時ヨーロッパに戻ってフランス国籍を得た。
その後、65歳のときにニューヨークに復帰し、 その3年後にアメリカ市民となり、62年前の 1月29日に86年の生涯をとじた。
クライスラーが作曲または編曲した ヴァイオリン小品は、数十曲にのぼる。 演奏技巧を派手に使いながら音楽的な内容を 豊かにもち、古典形式のわくにはめても、 近代人的な感覚をあらわし、大衆に分かりやすくて、 かつ芸術的な作品に仕上げた。
それらの小品を作ったことで、クライスラーは ヴァイオリン音楽を著しく豊かなものにした。 ヴァイオリン独奏家として、一世を風靡した名人 クライスラーは、珠玉のようなヴァイオリン小品の 作曲家として後世に残る不朽の人となった。
小品の中でも「愛のよろこび」と「愛の悲しみは」は 有名だが、「美しきロスマリン」もウィーン風の 抒情性をもった円舞曲で、その調べは、 清らかな乙女のロスマリンの面影をにおわせる。

(ヴァイオリン)ヤン・パスカル・トルトゥリエ (管弦楽) アルスター管弦楽団 (指揮) ジャクリーヌ・ハートリー ♪ 私が聴いた音源 ♪
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