[PREV] [NEXT]
...... 2023年12月05日 の日記 ......
■ 《 祈り 》   [ NO. 2023120501-1 ] v

モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K .618 】
        
モーツァルト,ヴォルフガング・アマデウス 〔墺〕
(1756.01.27〜1791.12.05) 35歳
           

             
最後の年のモーツァルトは、病気の妻と
子どもをかかえ、貧困のなかにいた。
以前は彼の無心に応じていた友人たちも、度重なる
要求には応じきれず、また貴族たちもただ一人として、
見捨てられた食うや食わずの音楽家など
かえりみようとはしなかった。
そのため、あらゆる貴重品を抵当に入れ、
たえず金貸商に行っていた。

6月に入って、歌劇「魔笛」をほぼ完成し、保養中の
妻子を迎えにバーデンに赴き、そのときに作ったのが
「モテット アヴェ・ヴェルム・コルプス」だった。

妻のコンスタンツェは、しばしば療養のため
ウィーン近郊の湯治場のバーデンに行っていた。
そこでシュトールという教師兼合唱指導者に、
お世話になっていたので、モーツァルトは
深い感謝の気持をこめて、この短いながらも
あまりに美しいモテットを書き、彼に贈った。

それは、モーツァルトが亡くなる6ヶ月前の
6月17日のことだった。

11月20日再起不能の床につき、12月5日の
午前0時55分、永遠の眠りについた。
翌6日、聖シュテファン教会でミサがあげられた後、
見送る者もなく、聖マルクス共同墓地に葬られた。

自分の死を決して悲しいとも、いたましいとも
思ってなかったとあるが、死について
「それは全く神の摂理であり、人間は神を
信頼して、その手に生死をゆだねるべきものだ」
と硬く信じていた。

モーツァルトの宗教音楽の中で、最も多くの人に
親しまれている「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は、
霊妙さがよくうかがわれる名作として、
一般の合唱団にもよく手がけられている。

この曲は特に清らかに澄んだ美しさをたたえていて、
ゆるやかな、弦楽器とオルガンによる2小節の 
序奏に始まり、四部の混声合唱が静ひつな
祈りの気分を漂わせている。

モテットは教会合唱音楽で、カトリック教会
典礼のためのラテン語無伴奏合唱曲であったが、
1600年以降になって、オルガンや器楽の
伴奏をつけたものも作曲されるようになった。



Ave Verum Corpus(救主への祈り)

光りなる マリアの御子
清らけくも あ(生)れにし
世の人ゆえ ゴルゴタに
悩みたまいぬ
流れたる 血潮は 
諸人の 糧なり
ああわが主よ 救いませよ
にごれる世の ほころびより 
我らを



(合唱) モルモン教会合唱団     
(管弦楽)ユタ交響楽団        
(指揮) ジョゼフ・シルヴァースタイン
       ♪ 私が聴いた音源 ♪




...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: