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...... 2023年06月19日 の日記 ......
■ 《 ドタバタ喜劇 》   [ NO. 2023061901-1 ] o

【 歌劇「ランスへの旅」】
         
ロッシーニ,ジョアッキーノ 〔イタリア〕
(1792.02.29〜1868.11.13) 76歳 直腸がん
         

            
十八世紀のイタリア・オペラは、 神話や古代の
英雄を題材としたものを「正歌劇」(オペラ・セリア)、
それに対し、庶民生活や人情話的な題材を
扱ったものを「喜歌劇」「軽歌劇」(オペラ・ブッファ)
と言っていた。

ロッシーニはオペラ・ブッファ作家として、
19世紀前半のイタリアのみならず、
ヨーロッパ全域において歓迎された。
彼の作品は光に満ち、流麗な旋律にあふれ、
人物の描写も生き生きとしていた。

ロッシーニは10代後半からオペラ・ブッファを作曲し、
名声を高め、イタリアの副王の力添えで兵役を
免除されるほどであった。
30歳のときに、ウィーンで彼の作品が上演された
機会に同地を訪れ、ベートーベンにも会っている。

ロッシーニのオペラは50ちかくあるが、それは
1811年ごろから、1830年にいたる約20年間の
仕事で、その後は、数曲の宗教曲やカンタータ、
かなりの数の歌曲のほか、2、3のオーケストラ曲、
室内楽曲を含むいくつかの器楽作品などを
随時気のむくままに書きとどめたにすぎなかった。

「ランスへの旅、または「黄金の百合咲く宿」は、
1825年フランス国王シャルル10世の戴冠式の
ために作曲された全1幕のドラマ・ジョコーソで、
初演はカンタータ形式で行われたため、
「劇的カンタータ」と呼ばれることもあるが、
通常は「ランスへの旅」とだけ表示される。

歴代のフランス国王の戴冠式はランスの
ノートルダム大聖堂で行われてきたが、
シャルル10世の戴冠式が、ランスで行われた
戴冠式の最後だった。

「ランスへの旅」のあらすじは、ランスの保養地
プロムピエールにあるホテル「黄金の百合」を
舞台にして、戴冠式を見に来たヨーロッパ各国の
人々が戴冠式の前日に繰り広げる
ドタバタ喜劇である。
フランス国王の紋章=フルール・ド・リス(青地に
金色の百合の花)

完成された作品は、戴冠式で盛り上がる1825年
6月19日にパリのサン・ルーヴォア劇場で初演された。
当時パリで活躍していた最高のベルカント歌手
ばかりがキャスティングされ、大成功だった。

作家スタンダールが「ロッシーニの最も優れた音楽」
と呼んだといわれている。
  




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