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...... 2023年05月27日 の日記 ......
■ 《 ヴァイオリンの鬼神 》   [ NO. 2023052701-1 ] s

【「ネル・コル・ピウ」による変奏曲 】

パガニーニ,ニコロ 〔伊〕 
(1782.10.27〜1840.05.27) 57歳 腎不全



ヴァイオリンの鬼神といわれたパガニーニは、
十九世紀最大のヴァイオリン奏者のひとりだが、
その一生は不明確な点が少なくない。
彼の学習はいつの場合も極めて短期間であるが、
その期間は激しく集中的におこなわれていた。

名人芸的演奏効果と強烈な表現性で演奏される
パガニーニの奏法は、その直接の流れをくむ
流派がないため彼一代で消滅した。

19歳のころから4年間ある貴婦人と同棲し、
この間ヴァイオリンを放棄してギターに没頭、
演奏会から全く姿を消している。

再びヴァイオリンをとり演奏活動を開始してから、
ナポレオンの妹のバッキオッキにルッカに招かれ、
そこの宮廷オペラ指揮者を3年間務めた。

パガニーニは晩年、ベルリオーズを未来の音楽の
鍵を開ける天才と讃美して、不遇な作曲家を
援助するために莫大なお金を送っている。

「長い髪と、鋭い眼光と、怪しく粗暴な
顔つきをした男。それは天才といおうか、
巨人中の巨人といおうか、
私がかつてみたことのない男であった。
私は一目見て非常に感動した。
男はただ一人ホールに突っ立っていた。
私が横切ろうとすると、呼び止めて手を握った。
そして身も心も焼きつくような
激しい賛辞を押しつけた。
この男はパガニーニであった」(ベルリオーズ)

その後、外国への演奏旅行を試み、
活発な演奏活動が続いたが、50歳のころから
健康がすぐれず、晩年はほとんど演奏不可能な
状態になり、富と名声と恋愛で数多くの逸話を残した
パガニーニは、183年前の5月27日にニースで
咽喉癌のため、57年の生涯を閉じた。

「ネル・コル・ピウ」による変奏曲は、
パイジェルロのオペラ・ブッファ(喜歌劇)の
「水車屋のおとめ」のアリア「ネル・コル・ピウ」
(わが心はもはやうつろになりて)を主題とした
無伴奏独奏曲で、超難曲である。



(ヴァイオリン) 庄司紗矢香
        ♪ 私が聴いた音源 ♪





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