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...... 2023年01月06日 の日記 ......
■ 《 神秘和音 》   [ NO. 2023010601-1 ] s

【 2つの詩曲 Op. 71 】

スクリャービン,アレクサンドル
        ・ニコライエヴィチ〔露〕
(1872.01.06〜1915.04.27) 43歳 敗血症



スクリャービンは外交官の父と、ピアニストの母との間に、
151年前の1月6日にモスクワで生まれたが、
生後間もなく母が亡くなり、叔母に育てられ、
ピアノの手ほどきを受けた。

モスクワ音楽院で院長のタネーエフに師事、
同級生にはラフマニノフがいて、彼は作曲家として、
スクリャービンはピアニストとして有望視されていた。

しかし、彼は小さな手だったこともあり、
練習のし過ぎで右手を故障し、そのときに左手の特訓をし、
左手のための曲を作曲している。
間もなく回復したが、そのころからニーチェ哲学に
心酔したり、宗教や神秘主義の世界に足を踏み入れた。

露暦では、クリスマス生れだったこともあり、
神秘主義や救世主きどりに拍車をかけた。

リムスキー=コルサコフとは生涯に渡る親交を結んでいる。

43歳のときに唇への虫刺されが炎症を起こし、
腫瘍による敗血症になりモスクワで急死した。

彼の楽風は、第1期にはショパンの影響の濃い
ロマンティックな様式を示したが、作品40番を過ぎて
作品53番くらいまでの第3期は、ワーグナーの影響を
受けて神秘主義に近づき、思想的にもこのような
傾向を示した。

そして、彼独自の和声スタイルを持った時期の
第3期の代表的な作品「二つの詩曲」は、
5度の下行変質音を伴う属7の和音や、
9の和音のような「変質和声」を好んで使っている。

このような和音は、神秘和音とも呼ばれ、
彼の思想上の神秘主義や幻想を現わそうとした。
これは長短旋法を無視し、記譜に当たっては
調記号を全く使わず、「神秘」「恍惚」性の表現として、
5度の下行変質独特の漠然性を利用した。

     第1番 Fantastique
     第2番 En revanto,avec une grande douceur



(ピアノ) マリア・レットベリ
      ♪ 私が聴いた音源 ♪




【 管弦楽のための小品「夢」Op. 24 】

管弦楽のための作品「夢」は1898年に作曲
前年にピアニストのベラと結婚し、二人による
ジョイント・リサイタルがパリで開かれた。

帰国後は、モスクワ音楽院のピアノ科教授に
招かれるなど、この曲はスクリャービンにとって、
大変幸せな時期に生まれている。

初演は、生涯に渡る親交を結たリムスキー=コルサコフの
指揮により行われた。



(管弦楽)チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
(指揮) リボル・ペシェク        
          ♪ 私が聴いた音源 ♪




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