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...... 2022年12月17日 の日記 ......
■ 《 予期せぬ不運 》   [ NO. 2022121701-1 ] or

【 歌劇「欺かれた陰謀」序曲 】
         
チマローザ,ドメニコ 〔伊〕
(1749.12.17〜1801.01.11) 52歳 胃癌
           

           
「イタリアのモーツァルト」といわれた、十八世紀の
後半における代表的喜歌劇作家のチマローザは、
モーツァルトが生まれる7年前の12月17日、
ナポリ近郊のアヴェルサで生まれた。

父はレンガ職人、母は洗濯婦という貧しい
家庭に生まれ、早くに父と死に別れたチマローザは、
近くの僧院の神父からオルガンを習った。
11歳のとき楽才を認められて、ナポリの
サンタ・マリア・ディ・ロレト音楽院に入学を許可され、
そこで11年間学び、作曲家となった。

最初のオペラがナポリで上演され、続いてローマでも
次々と初演されると、チマローザの名前は、
一躍ヨーロッパで有名になり、ナポリの王宮教会の
オルガニストの地位についた。

38歳のときに、ロシアのカテリーナ二世の
宮廷作曲家としてペテルスブルグに赴いた。
4年後には、オーストリアのレオポルド二世の招きで、
アントニオ・サリエリの後任として宮廷楽長などを経て、
ナポリ王の宮廷楽長も務めた。

その後、ナポリで暴動が起き、ナポリ王の国外逃亡、
フランス共和軍のナポリ占領、そして後に王が帰国し
ブルボン王朝が復活した。

急進的思想の持主であったチマローザは、
ナポレオン軍がナポリに進駐してきたのを歓迎して
讃歌を作曲していたので、1799年の
ナポリ共和国設立運動に加わったかどで捕らえられ、
死刑の宣告を受けて、牢獄に監禁された。

だが、ロシア宮廷からの申し入れによって釈放され、
ナポリから追放され、ペテルブルグへ赴く途中に、
ヴェネチツィアで52年の生涯を閉じた。
監禁により健康を害したのが命取りとなったといわれている。

チマローザは76曲におよぶ多数の歌劇やレクイエム、
オラトリオ、ソナタ、オーボエ協奏曲など、
美しい旋律が印象的で、チマローザと同い年のゲーテは
彼の音楽を賞賛していた。

このころのオペラはオペラ・ブッファ(喜劇)と
呼ばれるものだったが、彼はこの分野に真価を発揮し、
機知にあふれた明るさや豊かな旋律は、
モーツァルトに匹敵すると評価する向きもある。

歌劇「欺かれた陰謀」は、「マルマンティーレの市場」
とも呼ばれ、1784年にフィレンツェで初演されている。



(演奏) レ・タラン・リリク
(指揮) クリストフ・ルセ 
     ♪ 私が聴いた音源 ♪





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