【 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 二短調 Op. 27-3 】 イザイ,ウジェーヌ 〔ベルギー〕 (1858.07.16〜1931.05.12) 72歳
ベルギーの生んだヴァイオリンの巨匠イザイは、 ヴァイオリニストの父の子として164年前の 7月16日にリエージュで生まれ、 幼少のころから音楽的才能を発揮した。
リエージュ音楽院で学んだ後、パリにも留学し、 ヴァイオリニスト、指揮者、作曲家 として活躍した。 演奏家として、パガニーニに次ぐ最高の ヴァイオリニストだったイザイは、ルビンシュタインから 多くを学び、自分の演奏の真の師承と呼んだ。
1883年から86年にかけてパリに住んで、フランク、 ショーソン、ダンディ、フォーレ、サン=サーンス、 ドビュッシー、ルクーらと親交を結んでいる。
イザイは彼らのヴァイオリン音楽の熱心な演奏者となり、 多くの曲を献呈される栄誉によくしている。
しかし、神経炎や糖尿病を患い、演奏家としての 活動は60歳頃までで、その後は教育者、 指揮者を務め、ブリュッセルで72年の生涯を閉じた。
「無伴奏ヴァイオリンソナタ 作品27」は、1923年から 翌年にかけてベルギーの自宅で作曲した。 この曲は、バッハの6曲の「無伴奏バイオリンのための ソナタとパルティータ」に刺激をうけて書かれている。
当時、32歳だった若きヴァイオリニストの シゲティの演奏するバッハの 「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ」を聴き、 高度なテクニックによる表現力豊かな演奏と、 バッハの霊感の豊富な作品に深い感銘を受けて 作曲を始めた。
イザイも第1番から第6番までの6曲の 「無伴奏ヴァイオリンソナタ」を書いたが、 それらは6人の若いヴァイオリニストを意識して 書かれていて、それぞれの演奏家に捧げられている。
全1楽章の第3番「バラ−ド」は、序奏の前の 序奏ともいえる半音階の流麗な旋律で始まり、 レチタティーヴォ風の序奏部分は徐々に加速し、 鋭いリズムが展開する。
この曲は作曲家、ヴァイオリン奏者の ジョルジュ・エネスコ(1881〜1955)に献呈された。
ルーマニアで生まれたエネスコは、 ヴァイオリン奏者としてはバッハを得意としていた。 アメリカのヴァイオリニストのメニューイン (1916〜1999)の師でもある。
(ヴァイオリン)フランク・ペーター・ツィマーマン ♪ 私が聴いた音源 ♪
|
|