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...... 2022年06月21日 の日記 ......
■ 《 幻想的なおとぎ話 》   [ NO. 2022062101-1 ] or

【 組曲「サルタン皇帝の物語」Op. 57 】
        
リムスキー=コルサコフ,
   ニコライ・アンドレイ・ヴィチ 〔露〕
(1844.03.18〜1908.06.21) 64歳 狭心症
             

              
ロシア国民楽派「5人組」の最年少者の
リムスキー=コルサコフは、ロシア国民音楽の樹立と
推進に力をそそいだ。

父は官吏だったが、一族には海軍の軍人が多かった
関係から、12歳で海軍兵学校に入学し、
士官候補生として、6年間ここで過ごした折、
本格的な芸術音楽に接し、作曲活動を続けていた。

27歳のときに、ペテルブルク音楽院の教授として
招請を受けたが、音楽の基礎的知識はほとんど
もってなかった彼はおおいに迷った。
しかし、それを引き受け、それ以後、音楽の
一般的理論を身につけるために苦労した。
2年後に、海軍の軍籍は辞した。

リムスキー=コルサコフの晩年は、
音楽院の教授を勤めながら、海軍軍楽隊の
指揮者として、宮廷礼拝堂の副指揮者として活躍した。
音楽院教授としての34年間の在職中に
数えきれないほど多くの弟子を養成した。
114年前の6月21日ペテルブルクで
64年の生涯を閉じた。

遠洋航海の生活を3年間経験しているが、
彼の作品に東洋的な情緒感が漂うのは、
そのときに東洋の国々の港に寄港したときの
体験によるものである。

後に、海軍軍楽隊の指揮者をした経験から、
管弦楽の使用について様々な知識をもったことは、
オーケストレーションの完成のうえに非常に役立った。
彼の管弦楽は、色彩的であると同時に清明な
輪郭をもっており、彼が本領とした標題音楽において、
極めて効果的なものとなった。

「皇帝サルタンの物語」は、プーシキンの原作による
4幕の歌劇で、1899年から1900年にかけて
作曲された幻想的なおとぎ話である。

サルタンは、ある豪商の3人姉妹の末娘を
お妃にしたが、2人の姉はこれを妬み、サルタンが
戦いに出た留守中の妹のことを中傷したため、
サルタンはお妃と生まれたばかりの王子を
樽に入れて海に捨てさせた。

しかし、お妃と王子は魔の島に漂着し、
王子は健やかに育った。
ある日、熊ん蜂の襲撃から白鳥を救い、
その代償として金とエメラルドの木の実を
運んでくる栗鼠と、33人の護衛の武士と、
白鳥から美しい姫になったお妃の3つの奇跡を
あたえられるという物語りである。

有名な「熊ん蜂の飛行」は第2幕、第1場で、
海を越えて飛来した熊ん蜂の群れが、
白鳥の周りを飛び回る場面で奏される間奏曲で、
終始熊ん蜂のブンブンという羽音を模倣した
楽想で貫かれている。

後に、作曲者自身により組曲が作られた。
トランペットのファンファーレが。これから描かれる
ファンタジーの世界を思わせる。

      T The Tsar’s Farewell and Departure
       (Allegro - Allegretto alla Marcia)
      U The Tsarina in a Barrel at Sea
       (Allegro - Maestoso)
      V The Three Wonders



(管弦楽)シカゴ交響楽団    
(指揮) ダニエル・バレンボエム
      ♪ 私が聴いた音源 ♪




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