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...... 2022年05月21日 の日記 ......
■ 《現実主義》   [ NO. 2022052101-1 ] o

【 歌劇「道化師」】
    
レオンカヴァロ,ルッジェーロ〔伊〕
(1858.3.8〜1919.8.9) 65歳
       

            
1890年5月にローマで初演された、マスカーニの
「カヴァレリア・ルスチカーナ」の成功は、無名の
マスカーニの名をいち早く全イタリアにとどろかせた。

それに刺激されて創作意欲がわき、文才に恵まれた
レオンカヴァロは、作詞から作曲までを5カ月の
短期間で完成させたのが、2幕からなる
歌劇「パリアッチ」(道化師)である。

この二人にとっては出世作が代表作となり、
今に残る唯一の作品となったが、内容的にも
よく似ていて、それまでの歌劇の舞台に馴染み深い
神話的伝説的人物や王侯貴族には無縁で、
ともに南欧を背景に、庶民階級の現実主義を舞台に
その人たちの生々しい息吹をどぎついほどに伝えるばかりか、
嫉妬から殺人に至る筋までが共通している。

レオンカヴァロの父が裁判官をしていたとき、
ある俳優が嫉妬から公演後に妻を殺害した事件があり、
父がその事件を担当したことから深い印象を与えられ、
作品が生まれた。

パリアッチは道化師のことで、劇中劇の道化芝居を
演じるのは、旅芝居一座の座長(主人公のカニオ)と、
一座の女優の妻ネッダだが、妻の浮気から妻と、
相手の男性をナイフで刺し殺すという筋になっている。

胸を打つ歌や巧妙な管弦楽効果など、
舞台構成や劇的効果もすぐれているこの作品は、
1892年5月21日にイタリアのミラノで、
トスカニーニの指揮により初演された。




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