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...... 2022年02月19日 の日記 ......
■ 《 囚われの身 》   [ NO. 2022021901-1 ] v

【 囚われ人の歌 】
       
ダラピッコラ,ルイジ 〔伊〕
(1904.02.03〜1975.02.19) 71歳
         

           
イタリアで最初に12音技法を採用し、
12音音楽に拡大したダラピッコラは、当時
オーストリア・ハンガリー領だったイストリア半島の
ピジーノ・ディストリアで生まれた。
父はイタリア人学校の校長で、古典語を教えていたが、
新しい音楽に関心を持ち、息子にピアノを学ばせた。

13歳のとき、第一次世界大戦の勃発でオーストリア
政府の圧迫を加重したため、イタリア人学校は
閉鎖され、ダラピッコラの家族はグラーツに
強制的に抑留され、敵性外国人として扱われた。
この幼いころの体験は、彼に敵対感情を植え付け、
権力に対する反抗を教えた。

これが後に「囚われ人の歌」や
オペラ「囚われ人」を生む要因となった。
3部作のこの曲は、一度に完成したのではなくて、
2年間かかかって作られた。
混声四部合唱で、音色的に非常に特徴ある
器学の伴奏を付けている。

全曲の初演は、1941年12月11に
ローマの芸術劇場で行なわれた。

第1部 「メアリー・スチュアートの祈り」
イングランド女王エリザベス一世のために断頭台の
露と消えたスコットランド女王メアリー・スチュアートが、
死の直前に唱えた祈りの言葉、「私を自由にして
ください」を全人類の叫びと考えて作曲した。
序奏部では、グレゴリオ聖歌「怒りの日」の動機が
全曲を統一する素材として使われている。

第2部 「ポエティウスの祈り」
六世紀初頭の哲学者のポエティウスが謀反の疑いで
監禁され殺害されたが、獄中で唱えた「善の清らかな
泉を知る者は幸福な人・・・」が繰り返し歌われる。

第3部 「サヴォナローラの辞世の句」
十五世紀イタリアの高僧のジェロラモ・サヴォナローラが
人民裁判にかけられ、火あぶりの刑に処せられたときの
彼の辞世の句「辞世は最高に隠れ家・・・」
を歌詞としている。

ダラピッコラは亡くなる3年前に、健康を害して
作曲はできなくなり、1975年2月19日に
肺水腫のため71年の生涯を閉じた。



(合唱) ローマ聖チェチーリア音楽院合唱団 
(管弦楽)ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団
(指揮) イーゴリ・マルケヴィチ      
          ♪ 私が聴いた音源 ♪




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