 【 フェニックス行進曲 Op. 105 】
ヨーゼフ・シュトラウス (1827.08.22〜1870.07.21) 42歳

新型コロナ・ウィルスの影響で、至上初の無観客 開催となった前回から1年、ウィーン・フィルは 困難な状況の中、音楽の力を信じその灯を 絶やさぬよう闘い続けてきた
ホールの聴衆と共に迎える今年の演奏会幕開きには 「不死鳥」(フェニックス)を題する行進曲が選ばれ、 2曲目にワルツ「フェニックスの羽ばたき」と 「フェニックス」の名を冠した曲が2曲並んでいて、 「コロナに屈しない」というウィーンフィルの 決意表明であるかのようだ。
* * * * * * *
【 ワルツ「フェニックスの羽ばたき」Op. 125 】 ヨハン・シュトラウス作曲 (1804.03.14〜1849.09.25) 45歳
24歳で父を亡くしたヨハンは、父から引き継いだ 膨大な仕事に忙殺され体を壊してしまう。 死亡記事が用意されるほどの状況から回復した 彼はこの曲を作り、聴衆に自らの「復活」を アピールした。
* * * * * * *
【 ポルカ・マズルカ「セイレーン」Op. 248 】 ヨーゼフ・シュトラウス
セイレーンはギリシャ神話に登場する海の精 美しい歌声で船人を惑わし破滅させたという。 ヨーゼフ・シュトラウスは「ワルツ王」ヨハンの2歳下の弟 元々は技術者だったが、病に倒れた兄ヨハンの代役で 指揮をしたのがきっかけで音楽家に転身した。
* * * * * * *
【 ポルカ・シュネル「小さなニュース」Op. 128 】 エドゥアルト・シュトラウス (1835.03.15〜1916.12.28) 81歳
ちいさな出来事を伝える当時の新聞欄が題名の由来で ジャーナリスト協会の舞踏会のために書かれた。 このワルツには夜を徹して開かれる舞踏会の 雰囲気が描かれている。
* * * * * * *
【 ワルツ「夜遊びすき」Op. 466 】 カール・ミヒャエル・ツィーラー (1843.05.02〜1922.11.14) 79歳
ツィーラーはシュトラウス兄弟と並び、 ウィーンの舞踏会シーンをリードした作曲家で 今年が没後100年の節目となる。
* * * * * * *
【 性格的小品「妖精ハインツェル」 】 ヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世 (1855.08.22〜1907.04.26) 52歳
ハインツェルはドイツの伝説に登場する陽気で 小さな姿をした男の妖精。 家の中をせわしなく動き回る様子が音によって 描写されている。
* * * * * * *
【 ニンフのポルカ Op. 50 】 ヨーゼフ・シュトラウス作曲
このポルカは夏はプールに、冬はダンスホールにと 姿を変えたウィーンのゾフィエンザールで初演された。 夏は泳ぎ、冬は踊る女性たちが、ギリシャ神話の 水にまつわる女の精ニンフになぞらえて描かれている。

(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮) ダニエル・バレンボエム ♪ 私が聴いた音源 ♪
|
|