 【 交響詩「タピオラ」Op. 112 】 シベリウス,ジャン〔フィンランド〕 (1865.12.08〜1957.09.20) 91歳 脳出血
 「第7交響曲」が交響曲作家シベリウスの 総決算だとすると、翌年に作られた「タピオラ」は、 シベリウスの一連の交響詩の頂点をなす傑作といわれる。
あらゆる無駄を排して簡潔な素材を用い、緊張感に 溢れた力強さや詩的な雰囲気の表現をなし遂げた。 この曲以後、シベリウスはほとんど重要な作品を 発表しなかった。
祖国の偉大な民族伝承「カレワラ」を愛し、 多くの物語りを曲に描いたが、「タピオラ」は 神話の神タピオラを標題としていて、フィンランドの 森の神秘に満ちた自然体験を普遍化しながら描き、 叙情詩的である。
この曲は、60歳の誕生日を迎えた1925年に、 ニューヨーク交響楽団から作品の委嘱を受けて 作られたが、その年にアメリカで初演された。 そして、その時に指揮をした ウォルター・ダムロッシュに捧げられた。
総譜には、「カレワラ」の一節が記されている。
かなたには北国の暗い森がひろがっている 太古の、神秘な原始の夢をえがきつつ。 そこには森の大神が住み、 森の精がひそかに闇の中でうごめいている。

(管弦楽)フィンランド放送交響楽団 (指揮) ユッカ=ペッカ・サラステ ♪ 私が聴いた音源 ♪
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