【 歌曲「夢のあとに」Op. 7,No1 】
フォーレ,ガブリエル 〔仏〕 (1845.05.12〜1924.11.04) 79歳 肺炎
近代フランスのもっとも偉大な作曲家のひとりに あげられるフォーレは170年前の5月12日に 5男1女の末子として、カトリックの伝統強い 南フランスで生まれた。
彼の家系には音楽家はいなくて、代々肉屋を 家業としていたが、父親は教師となった。 4歳のときまでフォーレは里子に出されていたが、 父が師範学校の校長となったとき、家庭に戻った。
パリの宗教音楽学校で学び、1865年に卒業後、 地方の教会のオルガニストをつとめ、 普仏戦争には兵士として参加した。
その後パリに戻り、サン=サーンスなどが主催する 国民音楽協会に加わり、上流階級の社交の場の サロンなどにも出入りするようになった。
「夢のあとに」は、フォーレの歌曲集「3つの歌」 作品7の第1曲で、彼の全作品のうちでも最もひろく 親しまれている曲で、ロマン・ピュシーヌの詩に つけられた曲である。
1877年の作品だが、そのころフォーレはパリの マドレーヌ教会で、オルガン奏者サンサーンスの 助手を、その後合唱指揮者もつとめた。 清らかで穏やかな多くの歌曲を書き、時として フランスのシューベルトとも讃えられている。
甘美で豊かな和声法に彩られたその美しい旋律は、 チェロやいろいろな楽器の独奏用にも編曲されて、 ひろく愛好されている。
旋律の一種劇的な起伏はイタリア的性格のもので、 その豊かな和声づけはフォーレにあっても 最も陶酔的官能的なものであるが、そこには やはりフォーレ特有の節度があり、 曲を過度の耽美主義からは守っている。
(ソプラノ)バーバラ・ヘンドリックス (ピアノ) ミシェル・ダルベルト ♪ 私が聴いた音源 ♪
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