【 シチリアーナとリゴードン 】
クライスラー,フリッツ 〔墺→米〕
（1875.02.02〜1962.01.29） 86歳
今世紀前半の最大のヴァイオリニストの１人と
いわれているクライスラーは、１４６年前の
２月２日にウィーンで生まれた。
ウィーン音楽院とパリ音楽院で学んだ後、
デビューして演奏旅行を重ねた。
４０歳から９年間ニューヨークに住んだが、
一時ヨーロッパに戻ってフランス国籍を得た。
その後、６５歳のときにニューヨークに復帰し、
その３年後にアメリカ市民となり、ニューヨークで
８６年の生涯を閉じた。
クライスラーの作曲または編曲した作品は、
数十曲にのぼるが、演奏技巧を派手に使いながら
音楽的な内容を豊かにもち、古典形式の
わくにはめても、近代人的な感覚をあらわし、
大衆に分かりやすくて、かつ芸術的な
作品に仕上げている。
それらの小品を作ったことで、クライスラーは
ヴァイオリン音楽を著しく豊かなものにした。
ヴァイオリン独奏家として、一世を風靡した
名人クライスラーは、珠玉のような
ヴァイオリン小品の作曲家として後世に残る
不朽の人となった。
「フランクールの様式による」という副題を
持っている「シチリアーナとリゴードン」は、
十八世紀フランスの作曲家で、
パリオペラ座のヴァイオリン奏者を務めていた
フランソア・フランクールのスタイルにならって
書かれている。
曲は優雅なシチリア風の舞曲に始まり、
プロバンス地方に起源をもつ、明るい
舞曲リゴードンのリズムが続く、叙情性豊かな
ヴァイオリンの小品である。
 
（ヴァイオリン）イツァーク・パールマン
（ピアノ） サミュエル・サンダース
♪ 私が聴いた音源 ♪
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