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...... 2021年01月31日 の日記 ......
■ 《 ギター・チェロ 》   [ NO. 2021013101-1 ] ch

【 アルペッジョーネ・ソナタ イ短調 D821 】

シューベルト,フランツ・ペーター 〔墺〕
(1797.01.31〜1828.11.19) 31歳 チフス



シューベルトは224年前の1月31日に
ウィーンのリヒテンタールで生まれた。
父親はウィーン近郊の教区の校長で、
再婚後の子どもも含めて、15人の父親だった。
その半分は若死しているものの、子どもを
育てるための経済的負担は大きく、
楽な生活ではなかった。

教育家の父は厳格で、後年シューベルトに
楽才があることを認めても、生活の安全のため
専門家になることを喜ばず、自分と同じ
教師になることを強要した。

11歳のとき、宮廷の費用で教育を受けられる
官費学校に入った。
そのころから多くの作曲をしていたが、
貧しくて5線紙を買うお金もなかった。
しかし、シューベルトには援助をしてくれる
数多くの取り巻きがいた。

シューベルトの作品は、人の心の自然な思いが、
素直に流れ出たロマンティックな作品で、
なんの気取りもなく、あまりに純粋なので、
理屈抜きに聴き手は胸にじんとくる。
健康で、ひねくれたところのない音楽だから・・・

27歳の1824年の初めごろ、シューベルトは
不健康に悩み続けていた。
「私は毎晩寝床に入るとき、もう再び眼が覚めない
ようにと願います。そして朝になると、ただ前日の
悲しい思いだけがまた私のところにやってきます。
こんなに喜びも親しみもなく
私は日を過ごしているのです。
私の作品は、音楽への私の理解と、私の悲しみとの
現われです。悲しみによって創られた作品のみが、
人々を最も楽しませることができるように思われます。
悲しみは理解をするどくし、精神を強めます」
日記には、このように書かれてあった。

1823年にウィーンのシュタウファーが発明した
楽器の「アルペッジョーネ」は、「ギター・チェロ」
ともいわれ、バッハ時代に用いられていた
「ヴィオラ・ダ・ガンバ」に似た形をしていて、
胴体の形はギターを思わせる。
ほとんど使用されることもなく、いつかその
楽器名さえ歴史から忘れられてしまった。

そのため、この楽器のために書かれた曲といえば、
シューベルトの「ソナタイ短調」だけではないかと
いわれている。

現在はチェロとピアノで演奏されるが、他に
ヴィオラとピアノやチェロと管弦楽との
協奏曲風の形やピアノとヴァイオリンの二重奏の
形などいろいろな楽器で演奏される。

スラブ風やマジャール風の力強い奔放な性格が
美しくあらわれたソナタで、甘美で優雅な主題で
始まる第1楽章、哀愁と憧憬とをもった主題の
第2楽章、明るく軽快な曲趣の後に愁いにも似た
結尾の第3楽章と印象的な曲だ。

        第1楽章 Allegro moderato
        第2楽章 Adagio
        第3楽章 Allegretto



(ヴィオラ)ユーリ・ヴァシュメット
(ピアノ) ミハエル・ムーチャン 
       ♪ 私が聴いた音源 ♪





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