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...... 2020年11月07日 の日記 ......
■ 《 ダンテの「神曲」》   [ NO. 2020110701-1 ] e_sy

【 ダンテ交響曲 S648/ R370 】

リスト,フランツ〔ハンガリー〕
(1811.10.22〜1886.07.31) 74歳 肺炎



交響詩の形を確立したリストは、交響詩の方法を
古典的な交響曲にも活用しようとして、
ファウスト交響曲 S108(1854年)と
ダンテ交響曲 S109(1856年)の 2つの
標題交響曲を書いた。

後の作品の「ダンテ交響曲」は、正式には
「ダンテの『神曲』による交響曲」とよばれるが、
ダンテの「神曲」は、リストの青年時代から愛読書の
一つだったといわれ、1837年にはピアノ独奏用の
「ダンテを読みたるのちに」の第1稿を書いている。

「ダンテ交響曲」も1847年ころから主要な主題を
スケッチしていたが、1855年初夏になって
本格的に作曲に着手し、翌年の7月に完成した。

初演は完成の翌年の11月7日、ドレスデンの歌劇場で
催された管弦楽団年金基金募集音楽会で、リストの
指揮で行なわれたが、練習不足のため、不評だった。

この作品は伝統的な交響曲と違って、 2つだけの
楽章でできていて、第2楽章の終わりには、
女声合唱(または児童合唱)を置いている。
そのうえ、第1楽章「地獄」、第2楽章「煉獄」と
標題が記されている。

プランをたてる段階で、第3楽章として「天国」を
置くつもりだったが、2歳年下のワーグナーが、
「いかなる人間の声を用いても、天国の喜ばしさを
音楽で表現するのは不可能だろう」と反対したため、
第2楽章の終わりに「マニフィカート」を合唱で
歌わせて、第3楽章のかわりとし、これによって
天国からの崇高な音楽を聴き、天国を崇めることを
表現したのだった。

第1楽章は、失望と無限の苦悩に満ちた地獄の
恐ろしさも描き出し、第2楽章「煉獄」では、
内心の浄化と天国への憧憬を書いている。
合唱の歌詞はラテン語で、聖書のルカ伝第1章
第46節以下からとられている、

「ダンテ交響曲」の中には、熱心なカトリック信者
としての、リストの信仰の音楽的な告白もある。 

        第1楽章 Infemo (地獄)
        第2楽章 Purgatorio (煉獄)
        第3楽章 Magnificat



(トレプル)バルバラ・スモデチ       
(合唱)  ハンガリー放送少年合唱団    
(ピアノ) フランツ・リスト・ピアノ・デュオ
(指揮)  ガブリエラ・テシュ       
         ♪ 私が聴いた音源 ♪

 



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