【 ノヴェンバー・ステップス 】
武満 徹 〔日〕 (1930.10.08〜1996.02.20) 65歳 膀胱癌
日本が生んだ現代音楽の第一人者の武満徹は、 昭和5年10月8日、東京で生まれた。 音楽学校で学んだ経歴はなく、個人的に作曲の レッスンを受け、20歳のときに作曲した ピアノ曲「レント」が処女作で、その後次々と 作品を発表した。
最初期は、メシアンとベルクに強い影響を受けている。 彼の作品における微妙な色合いをかもし出す オーケストレーションは、独特の魅力を持っていて “タケミツ・トーン”として知られている。
数多くの作品を書いたが、映画、テレビ、 演劇などの音楽も手がけた。
武満の代表作「ノヴェンバー・ステップス」は ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の 創立125周年記念演奏会のために作曲された。
尺八と琵琶とオーケストラによる二重協奏曲の 形態をとり、尺八の響きがオーケストラの 複雑な和音と結びついたり、琵琶の撥音が オーケストラのピチカートに対応したりと、 ユニークな音楽空間を形成している。
「ノヴェンバー・ステップス」の初演は、1967年 11月9日にニューヨークのリンカーン・センターで 小澤征爾指揮、ニューヨーク・フィルハーモニー 交響楽団によって行なわれ、小澤が国際的な 名声を獲得するきっかけとなった。
曲名のノヴェンバー・ステップスは、区切りなく 演奏される11の段(段=日本の伝統音楽では まとまった一つの部分を示す=ステップス) からなっていることと、11月に初演されたことから つけられたようだ。
(琵琶) 鶴田錦史 (尺八) 横山勝也 (管弦楽)サイトウ・キネン・オーケストラ (指揮) 小澤征爾 ♪ 私が聴いた音源 ♪
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