【 歌曲「花の街」】
團 伊玖磨 〔日〕 (1924.04.07〜2001.05.17) 77歳 心不全
日本を代表する作曲家の團伊玖磨は、 大正13年に東京で生まれた。
オペラ、交饗曲、管弦楽曲、合唱曲、歌曲、 室内楽曲、劇音楽、映画音楽、童謡など 数多くの作品を残している。
指揮者としても活躍したが「パイプのけむり」など、 随筆家としても知られていた。
平成13年5月17日午前2時40分(日本時間)に 旅行先の中国・蘇州で、心不全のため 77年の生涯を閉じた。 奇しくも1年前のその時刻に、作曲家の 中田喜直が76歳で世を去っている。
彼の作曲した童謡「おつかいありさん」「ぞうさん」 「山羊さんゆうびん」など、子どもたちに歌われ、 親しまれている作品も数多くある。
昭和26年にNHK「婦人の時間」で発表された 歌曲「花の街」は、中学校音楽の歌唱教材として、 掲載されていた。
作詞者の江間章子は、平成17年に脳内出血のため 91歳で世を去った。
♪ 花の街
七色の谷を越えて 流れて行く 風のリボン 輪になって 輪になって かけていったよ 春よ春よと かけていったよ
美しい海を見たよ あふれていた 花の街よ 輪になって 輪になって 踊っていたよ 春よ春よと 踊っていたよ
すみれ色してた窓で 泣いていたよ 街の角で 輪になって 輪になって 春の夕暮れ ひとりさびしく 泣いていたよ
( 江間章子作詞・團 伊玖磨作曲)
「花の街」は、私の幻想の街です。 戦争が終わり、平和が訪れた地上は 瓦礫の山と一面の焦土に覆われていました。 その中に立った私は夢を描いていたのです。 ハイビスカスなどの花が中空に浮かんでいる、 平和という名から生まれた美しい花の街を。 詩の中にある「泣いていたよ 街の角で・・・」 の部分は、戦争によってさまざまな苦しみや 悲しみを味わった人々の姿を映したものです。 この詩が曲となっていっそう私の幻想の 世界はひろがり、果てしなく未来へ続く 「花の街」となりました。
江間章子記(教育芸術社 音楽教科書より)
(ソプラノ)鮫島有美子 (ピアノ) 小川典子 ♪ 私が聴いた音源 ♪
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