【 ヘブライ狂詩曲「シェロモ」】
ブロッホ,エルネスト〔スイス→米〕 (1880.07.24〜1959.07.15) 78歳
ユダヤ人作曲家のブロッホが、35歳のとき ジュネーブで作曲したチェロと管弦楽のための ヘブライ狂詩曲「シェロモ(ソロモン)」は、 作風に強くユダヤ民族的な特色を打ち出している。
彼の音楽は、彼自身が旧約聖書の世界への 霊感から生まれた、ユダヤ精神による 音楽であると述べている。
ヘブライ語読みの「シェロモ」は、英語読みの 「ソロモン」で、旧約聖書にでてくる 紀元前十世紀のイスラエル第二代の王ダビデの 末の子で、王位を継ぎ貿易の拡大や行政改革を 行ない、イスラエル国の地位を強大にした。
そのため後世では彼の治世を黄金時代とし、 豪奢栄華の象徴としているが、ソロモンの晩年は その富みに溺れ、偶像を拝したため、 国民の不満をかい、ついにその王国は分裂した。
その「ソロモン」の名を冠した曲が、 単楽章のヘブライ狂詩曲で、語り手として 瞑想的な音色をもっているチェロをえらんでいる。
この曲の初演は1917年5月3日、ニューヨークの 楽友協会主催による彼の作品の演奏会において、 ブロッホの指揮、当時フィラデルフィア交響楽団の 首席チェロ奏者であったハンス・キンドラーの チェロで演奏され、作曲家ブロッホの存在は 好楽家の間で注目されるようになった。
(チェロ)アレクサンドル・クニャーゼフ (管弦楽)ロシア国立交響楽団 (指揮) エフゲニー・スヴェトラーノフ ♪ 私が聴いた音源 ♪
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