【 タルティーニの「田園曲 イ長調」の編曲 P.86 】
レスピーギ,オットリーノ 〔伊〕 (1879.07.09〜1936.04.18) 57歳 心臓病
レスピーギは140年前の7月9日に音楽家の父と、 感受性の強い教養豊かな母との間に、 ボローニャで生まれた。
類い稀なるオーケストレーションの名人として 知られているレスピーギの音楽は、師の リムスキー=コルサコフが鮮やかな水彩画とすれば、 彼は極彩色の油絵に例えられている。
限りなく永遠の都ローマを心から愛し続け、 演奏旅行以外はローマを離れることがなかった レスピーギは、56歳のときに軽い流行性感冒に似た 病気になり、それがこじれて心臓病で世を去った。
彼は「古代ローマ帝国の復権」を訴えた 独裁者ムッソリーニの熱心な支持者だったが、 彼の死の翌月、ムッソリーニはエチオピア併合を 宣言し、2年後にはユダヤ人迫害が始まっている。
レスピーギは、好んで古い音楽を現代的に 生かした人で、34歳のときにローマの サンタ・チェチリア音楽学校教授になって以来、 同校の図書館の豊富な文献を自由に 利用できることになり、増々そういう懐古的、 郷愁的な傾向を強く示すようになった。
イタリアの先輩の作曲家ロッシーニを大いに 尊敬していて、1919年にロッシーニの音楽を 生かして「風変わりな店」というバレエ音楽を 書いたが、1925年に書いた「ロッシニアーナ」も、 ロッシーニの音楽を現代的に再生させたものである。
レスピーギよりも187年前に生まれたイタリアの タルティーニ(1692〜1770)の作品 「田園曲 イ長調」も、ヴァイオリンと弦楽合奏の ために編曲していて、この曲には 「タルティーニの作品による自由な編曲」という 副題がつけられている。
(ヴァイオリン)インゴルフ・トゥルバン (管弦楽) イギリス室内管弦楽団 (指揮) マルチェッロ・ヴィオッティ ♪ 私が聴いた音源 ♪
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