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...... 2019年06月15日 の日記 ......
■ 《 悲歌 》   [ NO. 2019061501-1 ] e_ch

【 チェロ・ソナタ イ短調 Op. 36 】

グリーグ,エドヴァルト・ハーゲループ 〔ノルウェー〕
(1843.06.15〜1907.09.04) 64歳



スコットランド系の血をひき、十八世紀半ばに
ノルウェーに移り住んだといわれる家柄のグリーグは
176年前の6月15日ベルゲンで生まれた。

ピアニストの母親から手ほどきを受け、
15歳でドイツのライプツィヒ音楽院に留学した。
ドイツ様式の作曲法や理論をみっちり学び、
19歳で卒業し、祖国ノルウェーの生地でピアニスト、
作曲家としてデビューした。

しかし、その後はノルウェー人の感情や語法を
独自の音楽に作り上げ、雄々しくおおらかな
迫力の中に、細やかな叙情性をたたえた、
ノルウェーならではの音楽を目指した。

ノルウェーを代表するロマン的国民音楽の
作曲家であり、ピアノ奏者だったグリーグは
「北欧のショパン」とも、コペンハーゲンで
学んでいたときは「デンマークのメンデルスゾーン」
とも言われていた。

グリーグは、自国ノルウェーの大先輩で
当時高名を馳せていた名ヴァイオリニストの
ブル(1810〜1880)に天才であると認められ、
彼の勧めでライプチヒに遊学し、
基本的な勉強をした。

ブルには、非常にかわいがられ、
強い影響を受けている。
二人でモーツァルトのヴァイオリン・ソナタや
その他の二重奏曲を合奏したり、
グリーグの兄のヨーンのチェロを加えて
三重奏曲を演奏したりして楽しんだ。

それはグリーグ21歳、ブル54歳、
1864年のことで、郷土の香り高い室内楽の
作品はその後に生まれた。

1883年に作曲した「チェロ・ソナタイ短調」は、
仲の良かった兄が亡くなったのを悲しみ、
哀悼の気持ちをチェロにうたわせた悲歌で、
聴くものの胸にひしひしと迫るものがある。
グリーグはチェロ・ソナタを1曲しか書かなかった。

第1楽章は「イ短調協奏曲」に似ていて、
暗い北欧的な憂愁をたたえた旋律で、
人の心に沁み入るようにゆるやかに流れる。

第3楽章の終曲はソルベイグの歌を思わせ、
全曲を通して、亡き兄の在世中の気分を
あらわしている感銘深い曲である。

        第1楽章 Allegro agitato
        第2楽章 Andante molto tranquilo
        第3楽章 Allegro



         (チェロ) トゥルルス・メルク
         (ピアノ) ホーヴァル・ギムセ
              ♪ 私が聴いた音源 ♪





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