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...... 2019年04月10日 の日記 ......
■ 《仏教の根本思想》   [ NO. 2019041001-1 ] e_sy

【 曼陀羅交響曲 】

黛 敏郎 〔日〕
(1929.02.20〜1997.04.10) 68歳



前衛的な現代音楽家の黛敏郎は、
昭和4年2月20日神奈川県で生まれ、
平成9年4月10日、肝不全のため、
68歳で世を去った。

彼が亡くなった前年の2月20日に、武満徹が
65歳で世を去っているが、生まれたのは
黛敏郎の1年後の昭和5年である。 

黛敏郎は7歳のころから作曲を手がけ、
音楽の才能を発揮していった。
終戦直後、東京芸大に入学したが、常に
新しいものに挑戦し、ルンバの曲を書いたり
ピアノの試験でジャズを弾いたりと、
型破りな学生で、卒業後はパリに留学した。

当時は、世界的にも新しい実験音楽であった
ミュージック・コンクレート(具体音楽)に取り組み、
鉄道の音、人の話し声、動物の鳴き声、
自然界の音の非楽音を録音し、機械的、
電気的な処理を加えて変質、重複して構成された
音楽を作り、50年代前半に最先端の
電子音楽にも取り組んでいった。

西洋の伝統を真似ることを潔しとしなかった
黛は、日本の伝統に目を向けた。
29歳のときに「涅槃交響曲」を、31歳のときに
「涅槃曼陀羅」作曲し、1960年に岩城宏之の指揮、
NHK交響楽団により初演された。

曼陀羅とは、仏の悟りの世界を多くの仏や
菩薩などを体系的に描いて表現したもので、
彼は仏教の根本思想を、かつて画家が厚い
白絹に描いたように、音楽作品として描き出すことを
意図したものである。

第1楽章 金剛界曼陀羅
第2楽章 胎蔵界曼陀羅

黛は、東京オリンピック開会式のテーマ曲や、
映画音楽、テレビドラマの音楽など、幅広く
日本人の心に残る作品を多く作曲している。

テレビ番組の「題名のない音楽会」の
司会者としてお馴染みだったが、
憲法改正論者としても知られていた。



         (管弦楽)NHK交響楽団
         (指揮) 岩城宏之
            ♪ 私が聴いた音源 ♪





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