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...... 2023年06月13日 の日記 ......
■ 《 史実を題材に 》   [ NO. 2023061301-1 ] or

【 歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲 】
          
ヴェルディ,ジョゼッペ        
  フォルトゥニオ・フランチェスコ 〔伊〕
(1813.10.10〜1901.01.27) 87歳 心臓病
         

              
イタリア歌劇の大作曲家ヴェルディは、
改作や改訂を除き、26のオペラを残している。
「シチリア島の夕べの祈り」は第19作にあたる。

五幕の歌劇「シチリア島の夕べの祈り」は、
41歳のときの作品でパリのグランド・オペラからの
初めての依頼で書かれた。

1922年にフランス軍がシチリア島を侵略した時、
フランス軍の暴政のために反乱が起こり、
全島にわたってシチリア人によるフランス人殺害の
陰惨な事件があったという史実を題材としている。

ヴェルディは、この歌劇をフランスへの
あてつけとして作ったのではなくて、むしろ
当時オーストリアの権力下にあったイタリアを憂い、
故国に対する愛国心をこの曲にほのめかすと同時に、
イタリア人に奮起を臨むために書いた。

1855年万国博覧会が開かれていたパリで
6月13日にオペラ座において初演されたが、
その10年前に出来上がっていた序曲は、
ミラノのスカラ座で、1945年に行なわれている。

13世紀後半にフランスが支配していたシチリア島で
あった地元民衆の蜂起という事件に題材をとり、
祖国愛に燃えるシチリアの前の国王の妹と
彼女を愛しながらもフランスとシチリアとの関係に
思い悩み、フランス総督の息子との愛の葛藤が
描かれている。

この歌劇は、ヴェルディの巧妙な劇的手法を
十分に示し、音楽そのものは優れた美しさを
もっているが、筋が殺伐として陰惨な悲劇なので、
序曲だけが演奏されることが多い。

この序曲は元々この歌劇のために作曲された
ものではなくて、彼が以前書いた、
歌劇「ジョバンナ・ダルコ」(ジャンヌ・ダルク)の
序曲でもある。



(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(指揮) ジョゼッペ・シノーポリ      
           ♪ 私が聴いた音源 ♪





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