 【 オペラ「ルル 魔法の笛」】 クーラウ,フリードリヒ 〔独〕 (1786.09.11〜1832.03.12) 45歳
 軍楽隊のオーボエ奏者の父と、教養深い 母との間に生まれたクーラウは、母に対して 慈しみの心を忘れることがなかった。
彼は生涯独身を通し、晩年に 老人性痴呆症となった母を看取った。
191年前の3月12日にコペンハーゲンの リングビーで45年の生涯を閉じたが、 クーラウの最期は姉が看取った。
クーラウは、幼年時代に事故で右眼を失った。 ピアノと作曲を学び、24歳のときに コペンハーゲンに移った。
27歳で王室管弦楽団のフルート奏者に、 32歳で宮廷作曲家となり、オペラ、歌曲、室内楽曲 ピアノ曲など多くの作品を書いたが、今日では ピアノ学習用のソナチネによって知られている。
39歳のとき旅行先のウィーンで、健康がすぐれずに ウィーン郊外のバーデンで静養していた、 16歳年上になるベートーベンに会い、ポートレートを プレゼントされ、そのポートレートは、現在 コペンハーゲンの音楽史博物館に所蔵されている。
オペラ「ルル」は、モーツァルトの「魔笛」と同じ 原典から作られたが、「ルル」は原作により忠実で、 メルヘン性が高い。
異国の王子ルルが、善の妖精ペリフェリーメに 魔法の笛と指輪をもらい、悪の魔法使い ディルフェングに捕われている彼女の 娘シディを救いに出かけ、魔法の力で任務を 果たした2人は結ばれるというお話。
1825年にデンマーク王立劇場で初演された オペラで、10年間くらいは上演されたが、 その後は埋もれてしまい、2005年に 日本で世界初再演された作品である。
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