【 歌劇「ザネット」】 マスカーニ,ピエトロ〔イタリア〕 (1863.12.07〜1945.08.02) 81歳
マスカーニはパン屋の子に生まれた。 父は法律を学ばせようとしたが、14歳のときに 伯父に音楽の才能を認められ、 音楽を学ぶことになった。
その後、有力な伯爵にも認められて、 ミラノ音楽院に留学したが、音楽教師の職を得、 定住して結婚するまでは、放浪を続け オペラに親しんだ。
出世作「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、 音楽出版社の懸賞オペラに応募し、1等に 当選した作品で、90年にローマで初演されたが、 大成功をおさめ、続いて全世界で次々に成功し 彼の名を世界的に高めた。 同時代の作曲家に、多大の影響を与えた 歴史的意味をもっている作品である。
1幕のオペラ「ザネット」は、7作目のオペラで ルネッサンス時代のフィレンツェを舞台に、 放浪詩人のザネットとシルヴィアとの 一晩の恋物語。
1895年にぺーザロのロッシーニ音楽院院長に 就任し、その翌年に完成した作品で、 ロッシーニの40歳の誕生日(2月29日)に捧げられた。 初演は好評だったが、ミラノ・スカラ座での 第2回公演は酷評され、その後はほとんど 上演されることがなく忘れられた オペラ作品となった。
マスカーニは10曲余りのオペラを書いたが、 指揮者としても活躍した。 第二次世界大戦後、ムッソリーニの協力者として 全財産を没収され、77年前の8月2日に ローマで81年の生涯を閉じた。
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