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...... 2018年08月26日 の日記 ......
■ 《 グランド・オールド・マン 》   [ NO. 2018082601-1 ] e_co

【 あげひばり 】

レイフ(ラルフ)・ヴォーン=ウィリアムズ 〔英〕
(1872.10.12〜1958.08.26) 85歳



エルガーやホルストらとともに、二十世紀における
イギリス音楽復興の指導的作曲家のひとりである
レイフ・ヴォーン=ウィリアムズは、
“英国らしさ”を感じさせる人物で、最近になって
英国の文化やライフスタイルが注目を集め、
その音楽にも愛好家が増えてきた。

父は貴族階級、母は名門ウェッジウッド家(高級陶器の
ウェッジウッド)という絵に描いたような英国の
上流家庭に生まれたヴォーン・ウィリアムズは、
最初はヴァイオリニストを目指したが、
王立音楽大学で作曲家に転向した。

ホルストらとともに民謡採譜のため英国内を
くまなく回り、英国の教会音楽や賛美歌を
書物にまとめる仕事にも携わって、
自国の伝統音楽をしっかりと学んだ。

一方、ドイツ・ロマン派の作曲家のブルッフや、
ラヴェルにも教えを請い、様々な作曲技法を身に付けた。

54年前の8月26日にロンドンの自邸で、
心臓発作のため85年の生涯を閉じたが、創作活動は
亡くなる直前まで続けられ、その威厳ある音楽と
人間性で“グランド・オールド・マン(偉大なる老人)”と
呼ばれ、多くのファンに愛された晩年だった。

あらゆるジャンルの作品を手がけているが、
「海の交響曲」「ロンドン交響曲」「田園交響曲」
「南極交響曲」など、交響曲を9つ書いている。
これらの作品には「英国」をイメージする、
バッキンガム宮殿の威厳あるたたずまいや
湖水地方ののどかな田園風景、素朴なパイや
スコーンの味わいなどが、すべて備わっている。

また、7つの海を制した大英帝国の末裔らしく、
荒々しい自然の描写や、それに立ち向かう
フロンティア精神も、巧みな管弦楽法で描かれている。

魅力的な小品の「あげひばり」は、
「ソロヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス」という
副題がついていて、スコアの見返しに、
十九世紀後期のイギリスの著名な小説家の
ジョージ・メレディス(1828〜1909)の詩
「あげひばり」からの引用が掲げられている。

のどかな田園風景をほうふつとさせる、
ヴォーン・ウィリアムズの世界をかもしだした
美しい作品である。



      (ヴァイオリン)ハガイ・シャハム
      (管弦楽)ニュー・クイーンズ・ホール管弦楽団
      (指揮) ベリー・ワーズワース
               ♪ 私が聴いた音源 ♪





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