【 バレエ組曲第1番(モットル編曲)】
グルック,クリストフ・ヴィリバルド〔オーストリア〕 (1714.07.02〜1787.11.15) 73歳 脳溢血
オペラの改革者として歴史に名を残したグルックは、 304年前の7月2日にオーストリアで生まれた。 父親は大貴族に仕えた森林官で、一族で音楽家に なった者も、その他の芸術に従事した者もいない。
彼は、オペラの改革者として知られているが、 最初教会音楽とイタリア音楽のスタイルを学んだ。 このころ聴いたイタリアふうオペラに強い 刺激を受け、後にオペラ作曲に意欲を燃やした。
当時のイタリア式オペラは、歌手たちの技巧を 競うもので、芸術的に価値の乏しいものが多かった。 グルックは、劇と音楽の完全な融合を考え、 オペラ改革を目指した。
グルックが一挙に名声を獲得したのは、 かつて彼の生徒であったフランス王妃 マリー・アントワネットのお声がかりもあって、 1779年にウィーンを出、パリで 「アウリスのイフィゲニア」を指揮し、 異常な成功をおさめたときである。
晩年は、ウィーンで楽壇の大御所として 安らかな日々を送ったが、1787年11月15日に 脳溢血で73歳の生涯を閉じた。
彼は多くのオペラを作曲したが、現在その作品が 上演される機会は少ない。 演奏会で取上げられるグルックの管弦楽曲としては、 「グルック=モットルの舞踊組曲」と 名付けられたものがある。
長年にわたってワーグナーの助手をつとめ、 没後も各地でその作品を上演したモットルが、 グルックの劇音楽の中から、優れた器楽曲を選び出し、 古典組曲の型に編んだのが「バレエ組曲第1番」である。
1 導入部と愉快な歌 2 天国の祝福された精霊たちの踊り 3 ミュゼット 4 愉快な歌とシチリアンヌ
2の「天国の祝福された精霊たちの踊り」の 「メヌエット」は、グルックの作品中最も有名な曲で 「オルフェウス」の第2幕、第2場で踊られる よく知られたメロディーである。
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